|
テーマ:オール台湾!(1522)
カテゴリ:旅行
4回目の揺青が終わり、朝がやってきました。
朝3時半。いよいよ、殺青のお時間です。 ・・・と思ったら、茶師の先生から「待った」がかかります。 今の香りはピークなので、もうちょっと落ちてからの方が良い とのこと。 殺青は香りを固定するのだから、ピークの時の方が良いような気がしますが、ピークで殺青してしまうと、経験上、香りが引き出されないのだそうです。むしろピークを越えて、ちょっと落ちたぐらいの方が、良い出来になるのだとか。 なるほど。やはり理論と経験(実戦)は違うのですねぇ。 頭でっかちではダメです。実に勉強になります。 さて、4回目の揺青を終えて、殺青を待つばかりとなった、あるきち茶葉ですが、しっかりと発酵が進みました。 その様子がこちら。 良い香りが出ています(^^) 多少青っぽい茶葉もありますが、全然色が変わっていないのはないので、良しとしましょう。 この茶葉を、殺青機に入れて熱を加え、発酵を止めます。 その殺青機というのはこちらの機械。 殺青機 ドラム状になっていまして、下の方にガスで火がつきます。 そしてぐるぐる、ドラムの中が回るようになっています。茶葉は上に上がっては落ちを繰り返し、炒めるような感じになります。 知っている方は、リンガーハットの自動炒飯マシーン。あれを大きくしたようなものです。 #マニアックなネタだ。。。 さて、香りも一段落したので、4時すぎから、殺青の作業に入ります。 殺青機に火が入り、ゴロンゴロンと大きな音を立ててドラムが回り始めました。 茶作り体験とはいえ、殺青機に茶葉を放り込むのも自分たちでやります。 ザルに入っている茶葉を手で掴んで、殺青機に投げ込みます。 大体5分ぐらいの殺青時間なのですが、殺青機の中に手を突っ込んでみて、少し茶葉を取り、殺青の具合を見ます。 発酵したお茶の香り+熱を加えた香ばしい香りがします #もちろん、参加者もやります。ちょっと間違うと大やけど~ ここからはかなりスピーディーな作業なので、連続写真でご覧頂きましょう。 殺青が完了したタイミングで、スイッチを切り替えると、殺青機は前方が下がってきます。 そうすることで、茶葉を出すのですね。 ただ、すぐに全部出ては来ませんので、そのタイミングで茶師の先生が、素手で茶葉を掻き出します。殺青はあくまで発酵を止めるために加熱するものなので、焦がしてしまうと台無しです。ですので、スピード命で作業します。 そして、全部出し切ります。 そのまま茶師の先生、休む間もなく、すぐにこの布を丸めに入ります。 手早くぐるんと回して、 あっという間に丸め、隣に置いてある籠に放り込みます。 そして、しっかり籠の中に押し込みます。 実は、殺青機から取り出したあとの、この工程が東方美人にとっては重要なプロセスなのです。 この茶葉を受けている布は二重構造になっていまして、内側の茶葉と接する部分は普通の布なのですが、外側はパラシュートの布になっています。この二重構造の布で包むということは、 (パラシュートの布)水分を逃がさない (中の布)水分を吸い取る ですので、 中の茶葉は蒸らされた状態になる ということになります。 この蒸らすことが、東方美人で大変重要な製造プロセスである、 悶熱(もんねつ) と呼ばれるプロセスです。 これがないと、東方美人じゃないんですね。 次の揉捻を控えるにあたり、茶葉に水分を戻す必要があるのです。 乾燥しすぎて、しなやかさのない茶葉では、揉捻した時にパッキリ折れてしまいますから。 そして、少し置いてから、次は揉捻の工程に入ります。 続く。 いよいよお茶らしくなってきました(^^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[旅行] カテゴリの最新記事
思わずお茶の香りが漂ってきそうな画像ですね♪
殺青機、そういう仕組みなんですね~。 そして、悶熱。 二重構造!蒸らし!はあー、中国茶ってそういうふうに出来るんだ~@@ 全然知らなかったので、ものすごく興味津々です。 (2007.10.10 00:29:33)
この作業を明け方に行われたのですね。さぞやお疲れのことだったでしょう。そんな疲れを感じる暇も無く時間との戦いだったのかもしれませんが。
工程も随分と進んでいる様子ですね。上手くいくとよいですね。 (2007.10.10 01:16:03)
>殺青機の中に手を突っ込んでみて
とか >素手で茶葉を掻き出します っていうので、作業する人がやけどしそうになる作業のことだと「最後の10行を読むまで」思い込んでました(笑。 それにしても、発酵具合を見たり香りの調整したり、寝るヒマないですね~。やっぱり私には無理です。 (2007.10.10 09:18:18)
あっ少し分かる作業になってきた・・・と思ったら
やっぱり想像以上に細かいことしているのですね。 パラシュートの布を使うなんて初めて知りました、 いや初めて知ることばかりなんですが・・・。 (2007.10.10 22:51:15)
息をのむ作業ですなぁ~こわいよ、失敗したら徹夜も無駄になる~
日本茶ってこれにくらべると奥が浅い^^; それにしてもリンガーハットの炒飯が自動だったとは! (2007.10.11 00:29:39)
本などで「お茶作りの流れ」は説明されてますが
こうして作業風景を見せてもらうと 一つ一つの工程の大変さが分かります! 殺青完了後はスピードが命なんですね~。 最初、悶熱を悶黄と間違えて「東方美人でも必要な工程なんだ?!」と 一人で勘違いしてました(笑) (2007.10.11 05:16:42)
そうなんです~
この辺からいよいよお茶になってきた!という感じなのです。 機械の写真や工程の名前は割とよく見かけるのですが、それを具体的に見られたので大収穫でした(^^) (2007.10.13 00:56:29)
正直眠かったのですが、初めて見る作業でちょっと興奮気味になり、目が覚めたような気がします(^^;)
いよいよ、あと数工程で荒茶のできあがりなのです(^^) (2007.10.13 00:58:07)
決して、熱くて悶絶することではありませぬ((((((^^;
間違いなく、寝るヒマ無いです(苦笑) ただ、体験1度だけなら、全てが新鮮なので耐えられる?かもしれません。 茶農家はお茶のシーズンはずーっとこうですから、大変そうですけどねぇ。。。 (2007.10.13 01:00:12)
さすがご覧になっていますね(^^)
結構、細かいテクニックというか工夫が詰まっていて、やはり製茶をする中で技術の進歩があったんだろうなぁ、と感じることしきりでした。 なかなか、見られない工程なので、バッチリVTR撮影してました(^^) (2007.10.13 01:01:54)
そうなんです~。
常に油断できないのが製茶作業。 これは、疲れますね(^^;) 日本茶もおそらく、色々な職人技があるのでしょうが、やはり発酵がある分、烏龍茶の方が色々面倒ですね。 リンガーハットは、最近少なくなりましたが、キッチンを覗いてみると、ドラムが炒飯を入れてゴロンゴロンと回ってますよ~ #結構、パラリと仕上がるから大したものです。 (2007.10.13 01:04:34)
そうなんです。
本などではよく出ているのですが、何となくイメージでは分かっても、具体的に何をしているか分からないところもあるので、今回の体験は貴重でした~ おっ、悶黄! 実は、これも私が見てみたい工程の一つです。 見るにはやっぱり、湖南省の君山島に飛ぶしかない?? (2007.10.13 01:06:20) |