｢歩きつなぎの旅」の記録

2013年11月14日（木）晴のち曇


05:40 起床。おにぎりとインスタント味噌汁の朝食。宿の女将さんがコーヒーをご馳走してくれる。06:50 「そのがしら荘」を出発。晴れ。国道３号線に出る。１桁国道は、朝から交通量が多い。コンビニにて飲物を調達。



八房川を渡り、串木野市街地に入る。国道脇の緑地帯に鉱石が展示してあり、解説板に「金鉱石（含金銀石英石方解石脈）　この石は、わが国最大級の金銀鉱山の一つで、三井串木野鉱山から産出した金鉱石です。云々」。08:50 串木野駅前。

国道３号線は山間に入り、上り坂。北寄りの向い風が吹く。「金山蔵」の看板。串木野金山跡と薩摩焼酎のテーマパーク、「薩摩金山蔵」が近くにある。焼酎の仕込蔵・貯蔵庫として、坑道を利用しているそうだ。鹿児島では、焼酎が酒類の売り場で幅を利かせていて、日本酒の選択肢が少ない。日本酒党の自分としては、不便に感じることが多い。



09:55 金山峠。かつての電柱の、根元だけが道端に残っている。コンクリートの芯に使われているのは、鉄道のレール。国道と並行するＪＲ鹿児島線の電柱だったと思われる。古いレールには、こういう使われ方もある。しばらく歩くと、「薩摩街道 出水筋」の標柱。「薩摩藩ではこの街道を参勤交代にも使用」、と解説版にある。



川内（せんだい）市街に入る。雲が広がり、青空が見えなくなる。11:45 太平橋で川内川を渡る。橋の歩道に、「太平橋の歴史」を記したタイルが埋め込んである。初代の橋は明治８年竣工。現在の橋は６代目で、昭和５４年竣工とのこと。「すき家」で昼食、牛丼の並盛。

上川内駅前のスーパーにて、食料・飲料を調達。宿に着くまで、まだ３時間ほどかかるので、刺身は買えない。13:15 岩元で国道３号線を折れ、県道３４０号線に入る。川内高城（たき）温泉の看板には、「西郷隆盛　狩りと愛好の湯の里」とある。



ひと休みしていると、地図を手にした急ぎ足の中高年男性が何人か通る。クロスカントリーだろうか。「何かの大会ですか」、ひとりに聞いてみる。「日本縦断してるところです。十数人います」、「北からだとすると、もうすぐ終わりですね」、「あと４日です。もう２ヶ月になります」、「日本縦断するには３ヶ月くらいかかるって聞いてますけど」、「１日６０キロ走ってますから」。

彼は小さなザックしか背負っていない。「荷物、少ないですねえ」、「荷物があったら走れないですよ」。たぶん、サポートカーが伴走し、荷物を運んでもらっているのだろう。見たところ、皆、定年を過ぎた年齢に見える。足が真っ黒に日焼けしている。



県道３４０号線は県道３３９号線に合流し、峠を越えてしばらく下り、川内高城温泉。15:20 今日の宿「双葉旅館」に到着する。昨日の宿と同様、ここも湯治宿。共同炊事場には冷蔵庫・電子レンジなどがある。早速、温泉に浸かり、ゆっくり疲れを癒す。廊下に平成７年の、「西郷どん　御狩場マラソン」のポスター。



入浴後、温泉街をぶらぶら。温泉街といっても、旅館の他に酒屋・竹細工の土産物屋・雑貨屋が１軒ずつ。「ひなびた」という言葉は、この温泉街のためにある感じ。１０軒ほどある旅館の中でも、「双葉旅館」の「ひなび度」が一番高い。夕方、雨が降りだす。洗濯を済ませ、夕食は助六寿司・筍の煮物・マカロニサラダ。20:00 就寝。「双葉旅館」、素泊 ２９５０ 円。


湯之元 → 川内高城温泉 ： ３５．８ ｋｍ （ 九州一周徒歩旅行累計 ８２５．４ ｋｍ ）