資産運用一千一夜

昨日、レーサムリサーチが上方修正を出しました。
平成18年8月期中間業績予想の修正及び
通期業績予想の修正に関するお知らせ（pdf）

中間期で+187.1%と3倍弱、
通期でも+47.8%の大幅上方修正です。

一番大きい要因は、ホテルの株式譲渡による特別利益です。
これで平成15年から取り組んでいた沖縄のホテル事業から
撤退することになります。
（これにより連結従業員数も177名減少）

また他には、ゴルフ場運営は予想を上回る営業利益の見込みであるとか、
商業系不動産等の販売が寄与し、利益率が向上しているとの話があります。

レーサムのホテル事業については、
以前ちょこっと社員の方から話を聞いたことがあります。
赤字のホテルを買い取り、経営改善をするわけですが、
場所が沖縄ということもあり、
なかなか緊張感がないというか、時間の感覚が全く違うとのこと。
レーサムからも社員を出しますが、最長でも2年が限界だそうです。
知らず知らずの間に、現地の空気に慣れてしまい、
手が甘くなるなってしまうので、なのでローテーションするとか。

ちょっと気になったのは、資産運用事業において、
顧客ニーズの高まりを受けて、需要のさらなる掘り起こしに努めるべく
売却時期を延ばすという点です。
十分なバリューアップが実現できたと判断したものに限定して
販売していく方針に従い、下半期は子会社で保有する案件の販売が中心、
単体で保有する案件の多くは、時間をかけて更なるバリューアップを図り、
来期以降に販売をずらしていく計画、とあります。
（単体通期予想は、売上、利益ともに下方修正）

これは、いま売却して利益確定するよりも、
もっと引っ張った方がIRRがよくなる、と見ているんでしょう。
ただ、売却して得た資金を投資する良い案件があまりない、
という見方もできます。
しかし、ホテル売却で利益数字と投資資金ができたので、
いま保有する案件を急いで売却する必要がなくなった、
とも見れます。

『物件毎にキャピタルゲインを精査したうえで最適な出口タイミングを個別に
選択していく「マーケットニュートラル」モデルに基づき、保有期間に柔軟性を
持たせることで、顧客ニーズとの最適なマッチングを図ることを目指して』
なんて堅苦しいことが書いてありますが、
棚卸資産の推移をウォッチしていくしかありませんね。

そういえば先日、
レーサムから株主用サイトのパスワードが送られてきました。
2月の会社説明会の模様が配信されていますが、
やはり見る人が見れば違うのでしょうか。