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前から読めば「月琴亭の殺人」後ろから読めば「ノンシリアル・キラー」の二作品、二つの事件の関連性と謎解きが、真中の解決篇「ダブル・ミステリ」で明かされるという仕組みの構成。 孤島に招待された弁護士刑事森江俊策をはじめとする、これまで縁もゆかりもなさ気な登場人物たち。 その中の一人元判事が殺害されるという「そして誰もいなくなったへのオマージユであろうストーリーの「月琴亭の殺人」と、登場人物の一人称視点で描かれる「ノンシリアル・キラー」の作風がかけ離れているのは、アンバランスさに意外性を求めたつもりかもしれないが、無理に繋いだ違和感あって読み心地が悪い。 肝心の二つを併せて伏線の回収しなければならない「ダブル・ミステリ」の記述が、持って回った歯切れの悪さなので、これも読み終えてすっきりしない。 犯行動機や犯人は意外と言えば意外かもしれないが、この手の人物錯誤や人物隠蔽の手法は私は常々アンフェアだと思っている。はいはい、だから私見ですわよ、もちろん。 動機の設定もこれまた無理に後付したような不細工さで、おさまりが悪い。 トリックもフーダニットもホワイダニットも説得力のないものを読まされた不全感ばかりが残った。発想に奇をてらっただけで、作品の屋台骨部分が空疎。そんな味気なさだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.02.26 14:49:30
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