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テーマ:ミステリはお好き?(1469)
カテゴリ:Mystery
「われわれの契約はこれで終わりだ」
探偵ダニエル・ホーソーンと袂を分かつ決意をした作家アンソニー・ホロヴィッツ。 劇場では満を持して彼の戯曲「マインドゲーム」が上演された。 しかしその舞台を酷評し、散々こき下ろした評論家ハリエットが、何者かに刺殺される。 凶器のナイフにはホロヴィッツの指紋が。 容疑者として、天敵(?)カーラ警部に逮捕されてしまったホロヴィッツを救えるのは、ホーソーンだけなのだが・・・・・ -------------------- 謎の発想、ストーリーの構築、読みやすい文体は好きなのに、ホーソーンとホロヴイッツの凸凹相棒が好きになれない。 だけどシリーズ4作目も読了。 今作は演劇と劇場が事件の背景とあって、観劇好きの私には興味津々。 実在する劇場やシェイクスピアその他著名な戯曲への言及などの虚実綯い交ぜ、メタフィクション的な演出も楽しめた。 物語中盤の章で、容疑者を7人に絞り込んだとのホロヴィッツ視点の記述を読んだとき レッドヘリングが7匹ってことか と認識し、誤導されずに7人意外の人物に疑惑の目を向けなければならないと考える。 それは浅知恵だった。 ここらへんの嘘と見せかけて、一周回ってから真相であると判る過程の一筋縄ではいかない描き方、流石に巧妙だ。 フーダニットは当て推量で判るかもしれないが、動機を推理するのは難しい。 現在の事件と過去の事件の入れ子構造を見抜いて、ロジカルな推理に結びつけるなんて至難の業。 それが出来なくて騙された。 なんだか、ホロヴィッツミステリって推理する楽しみよりも、騙される楽しみを味わうために読むようなになってきてる。 次作はどうなることやら。 本筋とは関係ないけど気になったこと(気がついたこと) ハリエットと言い、カーラ警部と言い、心底イヤーな女に描かれている。 ここまで情け容赦なくいやらしく描かれるといっそ清々しい気がしてくるから不思議だ(褒めている) * 今日は季節違いの暖かさのあと、夜になって雨が降った。 奇妙に生暖かい大気や、狂ったような暑い日差しは妄念をかきたてる。 雨は止んだけれど 「ナイフをひねれば」を読み終えて今、孤島の連続殺人のミステリを繙いた。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.02.20 21:38:17
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