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テーマ:ミステリはお好き?(1469)
カテゴリ:Mystery
フィンランド国家捜査局で特殊部隊を指揮するカリ・ヴァーラ警部は、術後の後遺症にもめげず超法規的に麻薬を取締まる日々を送っていた。
ある日、移民擁護派の政治家が殺害され、頭部が移民組織に届く事件が起こる。それを契機に報復殺人が続発。不穏な空気が急速にフィンランドを襲う。 というのが、帯の文のカリ・ヴァーラ警部シリーズ。 代一作「極夜」がとても良かったので、二作目を飛ばして三作目を読んだ。 ところが本作で前作とは作風が一変、カリが法でさばけぬ悪を仕置きするヒッサツナントカ人みたいになっちゃっていたのには、驚くというよりあきれた。 麻薬密売の黒幕の財産を盗んだり、ヤクの売人に暴力で制裁を加えたりなんて、共感が出来ない。 てか、カリの敵であれ味方であれ共感できないエグイキャラばかり。 ま、誰が敵か味方かわからないでストーリーを引っ張っていくのだが。 作者意識してこういう人物像を描いているのだろうか。此方の勝手な感じ方であろうけど、それも一つの疑問ではあった。 それに誰が黒幕で、誰が事件の実行役かは警察小説のお約束通りの設定で、本作に限らずここのところどうにかならないか。 と、いろいろ難癖をつけてみたが ある程度物語の裏が見えても、ハラハラドキドキ感は十分で、最後までページをめくる手は止まらない。 フィンランド社会が抱える特異な政治事情、歴史的背景も私にとってはトリビアで興味津々。 移民問題と人種差別問題を据えたフィンランドを舞台にしなければ描けない物語をアメリカ人が描いたことには関心。 ただ、描き切る前に死んだのが残念。 いや、描き切ったかどうかは最終作(遺作)を読まないとわからない。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.04.11 00:00:13
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