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テーマ:ミステリはお好き?(1490)
カテゴリ:Mystery
自分によく似た女を替え玉に仕立てようとするデザイナーの岸浜涼子。
ホステス殺しの嫌疑が掛かりそうな友人を救けるべく、警察への偽証をする商社マンの風山。 そしてルポライターの布施香に不倫をネタにゆすられた官庁の課長大幹はなぜか、アリバイ工作を企んでいた。 やがて起きた殺人に、彼らは巻き込まれる。 涼子の夫竜二の会社に手首が送られたのを皮切りに、顔を潰された首が、胴体だけの死体が発見される。 殺されたのは誰か。 犯人は誰か。 昭和58年事件から9年の時を経て 私立探偵砧順之助は自らがたどり着いた、意外な真相を回想するのだった。 -------------------- タイトルのダミーは替え玉のこと。プロットは陰謀や謀略ほどの意味か。 ご丁寧に作中、作者の神の声がこんなトリックがあるから御用心と示唆してくれる。 といっても、トリックは、その一点だけではなく十重二十重に仕掛けられ、謎解きを容易ならぬ難問としている。 入れ替えによる錯誤、叙述、フーダニットは誰が犯人か以上に誰が殺されたのかの解題 が推理の興趣になる。 誰が誰の替え玉なのか 殺したのは誰か 殺されたのは誰か めくらましために、全体に被せられた大掛かりな網が作者の謀略なのだ。 よほどの読み巧者でないと この網に絡め取られ、間違いの推理をしてしまいそうだ。 人物入れ替えと顔のない死体トリックによる人物錯誤トリックの絡み合った謎をときほぐしても、ある部分がうまく解明のピースに落とし込めず、犯人は判っても被害者は判らなかったり。 正解に そうだったのか と膝を打ったら、読み返してみるのも一興かも。 私としては秋の夜長でも読み返している時間があれば、氏のその他の長編を読むのに当てたいけれど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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