散歩道

負の連鎖、というものはどこにでもある。

伝統、習慣、癖、血筋、関係･･･そういうものから生まれる悪い流れからは逃れられない。

「誰もが通ってきた道だから」

と、そんな言葉で誰もがやり過ごしてしまうのだろうか。



断ち切ろうと思うのは、いつだって自分だけなのだろうか。

そんなことはきっとないのだろう。

けれども、少しばかりお鉢が回る回数が多い気がしてならない。

私が進んでお鉢をとってしまうのだけれども。

ただ、回ってきた器の最後の毒を飲み下す時、その苦味や痛みはそれ以前よりはるかに強いことは間違いないのだと思う。



大概のことは何事もなかったかのようにしてしまえるけれども、不味い味だけはずっと体に残り続ける。

だから、辛い経験なんて少なければ、それに越したことはない。


明日は晴れることと、少しでもいい味を得られることを祈って。