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テーマ:仕事しごとシゴト(23631)
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村上龍の経済番組「カンブリア宮殿」に、出演した原田隆史氏の話が、興味深く、
番組が終わって、翌日になった今も、記憶に残っている。 原田隆史とは。 大手から中小を問わず、日本の経営者が最も会いたがる、中学の体育教師だ。 今年の講演スケージュール帖は既に満杯となっているという。 もともとは、中学の体育の教師に、彼に、 トヨタ、伊藤忠、花王に、三井生命、野村證券、さらにはユニクロ… わずか3年間で180社・4万人に元気を与え、講演依頼がくるというのだ。 様々な業種の企業の業績向上に、絶大な影響を与えているという。 どうして、なのか。 原田隆史は、荒れた中学の生活指導を行い、 はじめ、遅刻のつづく生徒を廊下に生徒を静座させたことにより、暴力教師と呼ばれる。 そのことが、親たちから、問題にされ、マスコミにもたたかれる。 そこで、彼は、 その大阪の弱小中学の陸上部を、3年以内に全国一にすることと、それができなければ、教師をやめることを宣言する。 そして、3年以内に、見事、陸上部を日本一にしてしまう。 こう書くと、熱血教師に思えるが、その方法が、すごく論理的なものなのだ。 ただ、合理的な練習をすれば、 大阪一になることはできるが、そのあとの日本一になるには、それでは限界があるという。 ほんものの一流の人間になるには、人間的な成長の重要性が大切であることを、 大量の成功者の伝記などを読破した彼は気づく。 小さな目標から、大きな目標を、いつまでにという時間を区切ってたてることの重要性を 説くが、そこには、皿洗い、掃除など、日常的な行為を必ずいれるという。 いっけん無用ともいえる、その行為ができないと、 大きくは伸びる成功する人間にはならないという。 皿洗いを毎日する。続ける。 目標設定と、それを守るという習慣が、やがては、仕事や目標の達成に繋がっていくというのだ。 自分自身を向上させる。 いっけん、単純な熱血論にも思えるが、この番組を見ながら、 このところ気になっていた日本の方向性について、考えていた。 ウエーバーは、「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で、 資本主義というのは、もともと、プロテスタントとともに発生していることを説いている。 つまり、いっけん矛盾するようだが、 資本主義という金儲けと禁欲的なプロテスタンティズムは深く関係していることを指摘しているのだ。 日本の福沢諭吉も、左手のソロバン、右手の論語というようなこと言っていた。 つまり、経済という生き方には、強い倫理や硬い規範がないとだめなのだ。 最近の、勝てば官軍式の世の中の風潮は、不快だった。 若者が、そんなものを目指して、小さな人間になってほしくはなかった。 死語ともなった、生活指導、そして、熱血教師。 その存在が、企業を救っている。 企業が、原田隆史氏の講演を依頼するというのは、とても、健全な行為だと思った。 「一寸さきは、光。」 「仕事と思うな、人生と思え!」 原田隆史氏が、番組の中で口にした言葉だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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