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カテゴリ:映画の話
飛行機までの空き時間にシネスイッチ銀座で見た「スルース」
マイケル・ケイン演じる年老いた有名作家 と ジュード・ロウ演じる作家の妻の若い愛人 その憎み合う二人が、騙し合いの対決(ゲーム)を行います。 そして監督は、ケネス・ブラナーです。 出演は二人のみ。そして場面もほとんどが作家の自宅です。密室における二人の駆け引きのみの映画でした。 この「スルース」はリメイク映画です。もともとは、ローレンス・オリビエ と マイケル・ケインによる映画。二人共にアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされたという逸話があるようです。今作は、オリビエが演じた役をケインが、ケインが演じた役をロウが務めています。これって若い頃のマイケル・ケインVSジュード・ロウという構図が感じられ、是非とも見てみたいと思っておりました。 やはり二人の駆け引きによる心理戦には本当に見入ってしまいました。あっと言う間の90分です。 特に顔をアップで撮ったシーンが多かったのが印象的でした。また対決のアドバンテージがころころ入れ替わります。これは、その状況に合わせた表情のみの演技が求められるので、かなり高度なことなのかもしれません。 また結末はセンセーショナルでしたが、少し呆気なかったような気がします。しかしこの映画「スルース」においては、結末なんてあまり問題ではないのかもしれません。全編にわたって展開される、二人の登場人物の知恵比べ自体がクライマックスでした。 もちろん想像の域ですが、ケネス・ブラナー と マイケル・ケイン そしてジュード・ロウの三人が一つ一つのシーンに関して、お互いに論じ合いながら作り上げていったように思えます。それは、演技とは何かという根本の部分での話だったのでしょう。 またプロデューサーは、ジュード・ロウです。同じイギリス人であるブラナーとケイン その先輩の胸を借りつつ、自分自身の演技の成長のために撮った映画なのではないかと解釈できます。 ロウ「先輩、ご指導よろしくお願いします!!」 ケイン「しっかり着いて来いよ!!」 なんて会話も想像できます。 ロウは張り合いつつも、最初は飲まれていた。でも撮影を進めていき先輩に必死に着いて行く中で、何かを掴んでいって、自信を強めていった。 こっれて、「スルース」の展開そのままです。架空と現実が倒錯しつつ映画の撮影が進んだのかもしれません。 そして撮影終了後、 ロウ「先輩、色々とご指導有難うございました」 ケイン「俺も昔、オリビエ先輩から色々と世話になった。それを君に返しただけさ」 その様子をローレンス・オリビエ2世と呼ばれたブラナーが目を細めながら眺めた後に、二人に握手を求めて近づいていく。 なんて状況もあったのでしょうか? そんな妄想を喚起してくれる映画でした。 ちなみに愛媛での公開時期は決まってませんんが、松山と今治での上映予定はあるようです。 また旧作の「スルース」はDVD化されていないようですが、是非、見てみたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 26, 2008 02:22:35 AM
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