紹介文
身辺雑事を記したエッセイでも、森瑶子のそれは、簡単に日常というスケールを超えている。例えば、北京や上海ですごす週末、3、4日の休暇で出かけるミクロネシア、夏のロンドン、冬のスイス。宝石もロレックスも手皮も香水も、Tシャツとジーンズレベルの感覚でしかない。そして、愛も別れも同じ素敵さで語られる。いつも、女がいて、男がいて、身を焦がす恋がある。素顔を語る、プライベート・エッセイ。文庫オリジナル。
【中古】 プライベート・タイム 角川文庫/森瑶子【著】
忘れたころふと読みたくなる森瑤子作品。
多作な流行作家の、しかもエッセイは電子化もされていないんですね。
この本読んでる人、今時どのくらいいるのかしら。
イギリス人の旦那、ハーフの娘たち。
海外でのバケーション、ふと思い立って週末の香港。
でも旦那には門限だなんてうるさく言われていて全然自由じゃないのよ(でも旦那がそうするのはあたしを愛しているから♡)、なんていう愚痴に見せかけた自慢を1冊にまとめました、って本なんですけれども。
でもそれは森瑤子が作り上げた、そして世の中が求めた森瑤子の姿だってことは今はわかっているから。
こんなきらびやかな文章にもなんだか悲しさを覚えちゃったりするのよねぇ。
しかしながら、返す返すも彼女のポジション、すっかり林真理子さんがゲットしましたね、と思っていたら林さん、何やら大変なことになっている模様。
曽野綾子さんといい、小説家が政治やら経営やらに乗り出すとろくなことにならんのはどうしてなんでしょうかね。