壁のみどり色が空気にまで溶け出しているような回廊。
ペナン島の世界文化遺産ジョージタウン地区にある
ペナン・プラナカン・マンション/Pinang Peranakan Mansionです。
イギリス植民地時代ごろ中国から渡ってきた中国人が人種差別を回避しつつマレーでの
地位を得るためマレー人女性と積極的に結婚して生まれた子供がプラナカン/Peranakan。
男の子はババ、女の子はニョニャと呼ばれ、財を築いたとか。
(中国系のコミュニティーや勢力が確立してからは、中国系同士での結婚が増えマレー人の血は薄くなってしまったとか。数の原理だから仕方ないのよねー、日本も遠からずそうなるのかも)
ここでは、地元マレーと植民地時代のイギリスと中国の様式・文化の融合を見ることが出来ます。
ニョニャの「いいお嫁さん」の条件は、手芸とお料理が上手なことだったそうで、
当時作られた素晴らしい刺繍やビーズ刺繍のサンダルや装飾品が陳列されてました。
ガイドの方に「写真ダメでしょ?」って聞いたら「いやいや、どんどん撮って下さい!」と促され、
周囲の人もどんどん撮っていたので私もどんどん撮りましたが、いいんでしょうか。
これって、美術品に近いよね・・・
ビーズにしたって、つなげると糸にしか見えないようなすんごい細かいのを使っていたようです。
このニョニャ・サンダルも全部ビーズで作られているようですね。
実際に使われてチョットくたびれていても、時間の向こうから輝きを放ち続けています。
粒の小さいビーズは手に入りづらく、細かいビーズ刺繍が出来る人もほとんど居ないとか。
(若い人は大変すぎてやりたがらないんですって。他に割りのいい仕事がたくさんあるそうです)
プラナカンショップでも、こういう細かいビースの作品はもう手に入らないんでしょうね。
(手先が器用で根気強く仕事が正確と言われている日本人なら習得できるんじゃない?)
目が醒めんばかりに豪華なベッドの天蓋・・・ ん?ベッドなのに目が醒めちゃダメじゃん(笑)
悔しいけれど、こういう青には吸い寄せられます。
「今はもうこれだけの細工は無理」だそうな螺鈿(らでん)と大理石の・・・
螺鈿と大理石の・・・ 阿片チェア・・・
インドから中国へ渡る阿片の中継地でもあったペナンでは、イギリス植民地時代政府が阿片を
売っていたそうで、お金持ちは阿片を吸うときも高価な専用の椅子を使ったんですって。
労働者は錫鉱山などでの重労働の疲労を紛らわすためにやはり阿片を・・・
「あなた日本人だからコレ読めるでしょ」と、3秒くらい見つめられました。
第二次世界大戦時、日本がペナンを一時占領していた時に発行された「阿片購買許可証」。
はい、全部読めますよ。
本証所有者に阿片購買を許可す、登録番号、一日の吸引量、姓名、年齢(あら37才?)、住所、
職業(あら床屋さん?)、種族、男女の別、初登録年月日、阿片登録番号、本証所有者写真、
財務科主税班主任印、専売係責任者印、発行月日(三月二十二日)。 以上。
お料理が上手だったというニョニャの台所にあったお弁当箱というか、携帯できるお重箱。
すごい収納力の年季の入った天井までの戸棚は、漢方薬局みたいです。
敷地内に代々の先祖が奉られているお寺まであり「とても先祖を大事にする」との説明。
何気なく「それじゃ、子孫は今もペナンに?」と聞くと、平然と「いいえ、みんな
オーストラリアに移住しました」という頭がこんがらかる答えが返ってきました。
儲けながら渡り歩くのねー、そんなんでいいのかもねー、蓮舫さんの家系も次はどこへ?
で、昔と変わらず自家用お寺を守っていたのはコウモリたち。コウモリは縁起がいいそうです。
ご先祖たちがどう思っているのかは、 ♪コウモリだけ~が知っている ウハハ・・・ by黄金バット
ペナン・プラナカン・マンション/Pinang Peranakan Mansion。
29, Church Street, 10200 Penang, Malaysia. 入場料RM10(300円弱)