148121 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

我こそは本好き・本の虫読子の読書日記

我こそは本好き・本の虫読子の読書日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

読子

読子

カレンダー

カテゴリ

バックナンバー

2024.06
2024.05
2024.04
2024.03
2024.02

お気に入りブログ

JUNE show!! New! jiqさん

黒部ダム New! hongmingさん

『時の扉』 ばあチャルさん

本との関係記 村野孝二(コチ)さん
きたあかり カフェ きたあかりさん

コメント新着

jiq@ Re:◇9月の読了本(10/24) 歌に私は泣くだらう/永田和宏~今週読み…
読子@ Re[1]:◇8月の読了本(09/22) jiqさん こんばんは、いつもコメント…
jiq@ Re:◇8月の読了本(09/22) 藤原、曽野の「上から目線」が気になり一…
jiq@ Re:◇7月の読了本(08/20) 5をのぞく8までがワカル・・・世代ギャップと…
読子@ Re[1]:◇6月の読了本(07/13) jiqさん こんにちは、先月お返事し…
2007.03.05
XML
カテゴリ:読後感あれこれ


20歳の知寿が居候することになった71歳・吟子さんの家。
駅が見える平屋での生活の中、知寿はキオスクで働き、恋をし、
吟子さんの恋にあてられ、少しずつ成長する。
二人に流れる四季を描き、選考委員絶賛の第136回芥川賞受賞作!
(e-honより)

ダンナが文藝春秋を買っているので、芥川賞や気になる記事のときは
私も読んでみる。

最近の芥川賞受賞作って、正直よくわからないものが多い。
『ハリガネムシ』 『蛇にピアス』は何とか、部分的に共感する箇所があり
少しは理解できたように思っているが。

若い人の小説を理解できないのは、私の感性の欠如なのだろうと思う。
選評を読んで、
「ふむ、そういうところが優れているのか。なるほど~」
(では、そこを気にとめて読み進まなくては)
・・・しかし、私の心は最後までピクリともせず(ガクリ)

そんなことが多かったので、期待しないで読んでみた。

わりに読みやすかった。平易な文章が読み手を疲れさせない。
若い人の持つ、世間に対する理由の無い苛立ちとか、
母親としっくりいかない気まずさ、
恋人に対しても上手く自分を表現できず右往左往する内面、
どうしてよいかわからない中途半端な気分、居心地の悪さ、失敗、落ち込み・・・。

若いときの感受性がよく書き込まれていて、
自分も若い頃は、こんな思考回路だったような気がしてくる。

若い作家の小説が苦手な私に、そんな風に思わせるってことは
普遍性のある小説ではないだろうか。好感度

主人公は遠縁のおばあさんの家に間借りするのだが、
この老女はなかなか本心をつかませないので、最後まで老女の生きざまというか
本音の部分はよくわからない。
主役じゃないから、まあいいのだ。

老女の家を出て、寮に入ろうとする主人公との会話。

「外の世界って、厳しいんだろうね。あたしなんかすぐ落ちこぼれちゃうね」

「世界に外も中もないのよ。この世はひとつしかない」


この一言は、著者の力を感じさせる。

老女の名前は、荻野吟子という。
この名前を見て、渡辺淳一の『花埋み』を思い出して検索したら
やっぱり同じだった。
日本ではじめて女医になった人の話で、もう何十年も昔に読んだ。
著者が、この本を知っていたか偶然か、ちょっぴり興味がある。

 『花埋み』









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007.03.05 23:54:26
コメント(4) | コメントを書く
[読後感あれこれ] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.