カテゴリ:野菜
プランタートマトに招かれざる客が来訪していました。
白いスジはハモグリバエの幼虫の仕業です。 通称「エカキムシ(絵描き虫)」・・・落書きレベルですが。 なるべく来てほしくありませんでしたが、懐かしいお客様です。 大学4回生の初夏~初秋のこと。 前の年に地域で新発生した「トマトハモグリバエ」の発生消長を調べるため、 卒論構成の一部として、2つの農家さんの半促成栽培トマトハウスで ハモグリバエ類の発生状況を調査をしていました。 (これは5月中旬) 汗だくだく・・・ 真夏はもちろん半そで。 トマトの茎のベトベトが腕に付き服に付き・・・ 調査が終わるころは指先がトマトの樹液?でカピカピ、 腕の毛もイヤーなベトベト感でした。 懐かしい思い出です。 《ハモグリバエについて》 まず、外部から飛来した成虫が葉の内部に産卵します。 孵化した幼虫は葉の表裏の薄皮1枚を残すように、内部組織を食べ進みます。 食べられた部分は薄皮だけなので、結果として通ってきた道が白く抜けます。 また、道の左右どちらかに器用に糞を残していきます。 さなぎになる直前に葉から出てきて、葉上もしくは落下して土でさなぎになり、 やがて飛び立ちます。 幼虫による被害(価値観) ・観賞用花卉などでは観賞価値が低下 ⇒美しくない ・葉菜類(葉もの野菜)では商品価値がなくなる ⇒食べる部分に虫が入っていたり、虫の糞を食べるのは嫌ですよね これらは少量の発生でも嫌がられます。 幼虫による被害(実害) トマトのような果菜類では、幼虫の発生が少ない場合は実質的な被害はほとんどありません。 ただし、大量発生した場合は、葉の光合成量不足によって生育不良による収量減、 ひどいときは株の枯死すらあるようです。 栄養がつくれなくなるわけですから。 成虫による被害 メスは産卵時以外にも、食料として植物の汁をなめるためにも葉に針を刺します。 (オスは針(産卵管)がないので頑張って餌のある場所を探すのだろう・・・) 針刺しの痕がポツポツと出てしまうので、 やはり観賞用の花卉などでは商品価値が落ちるようです。 ほかにも、植物のウィルス病の媒介者でもあり、 針刺しの傷から感染症が起きてしまいます。 ・・・と、今日はほとんど虫の話でした。 わーい!? のんきだね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ハモグリバエの威力は相当ですね。我が農園に粘着テープをつるしてみましたが効果はどうなのでしょうか。また立ち寄らせていただきます。
(2010年03月31日 14時17分08秒)
hitoshisanさん
初めまして。なかなかマニアックな記事にコメントがついてびっくりしました(汗 黄色粘着テープは飛来昆虫の発生調査によく利用しました。有用昆虫(花粉媒介昆虫など)まで引っかかってしまうのが難儀ですよね。 効果としては「産卵数が減って次世代が減る」なので、今現在、葉に潜っているものは我慢するしかないですね(農薬を使われないということならば)。その後減れば良いのですが。 農薬だと、その当時は幼虫の脱皮阻害系の農薬がよく効いていたと思います。(リリオミザ属ハモグリバエ) ちらっとそちらのエンドウを見させていただきましたが、「ナモグリバエという種のハモグリバエかなと思います。 エンドウを調査で育てた学生の被害状態に似ているからというだけの理由ですが。(線の太さと発生時期) 私は今は害虫と全く関係ない仕事をしていて、これも学生レベルの知識です。ちょっとした参考になれば幸いです。 またそちらのブログにもうかがいます。 (2010年04月01日 08時54分23秒) |
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