カテゴリ:着物・浴衣
「浴衣1枚でどこまで電車に乗れるか?」は、2通りの意味にとれる文章の典型例でもある。
「(着物の常識として)浴衣を着て電車に乗るのはどこまで許されるか?」と、「(物価比較として)浴衣1枚買うお金で切符を買えば、どこまで電車に乗れるか?」の2通りの意味がある。 今日は、後者の意味で日記を書くことにする。前者の議論は、きっとあちこちの着物系掲示板などでなされているだろう。 mixiの男の着物コミュで、 「基本的に、浴衣は「1シーズンで着潰す」」 とのフレーズが気になったのだ。 充電式バッテリーやプリンタインクじゃあるまいし、消耗品にしては高額ではないか。ということで、昔の時刻表を引っ張り出して、浴衣1枚と電車運賃とを比較してみた。 本来なら、物価比較のベンチマークには、白米10キロか、公務員給与を使うのがいいらしいが、そこは話を面白くするご愛敬ということで。 ■戦後値段史年表 という本に、浴衣1反の値段が載っていた。 浴衣1反 それで乗れる距離 昭和25年( 437円)352km 東京から大高(名古屋の3つ手前:当時) 昭和39年(1100円)503km 東京から膳所(京都の3つ手前) 昭和60年(6000円)440km 東京から醒ヶ井(米原の1つ手前) 平成元年 (6800円)440km 東京から醒ヶ井(米原の1つ手前) 平成6年 (9800円)720km 東京から瀬戸(岡山の4つ手前) ※一次資料として、昭和50年前後の時刻表があるともっと面白いんですけどね。 上記表は「白生地に藍染め一色」という、昔なら普通だが、現在では珍しいタイプの浴衣の値段である。今、百貨店で普通に売られているカラフルな浴衣は、1着3万円以上もする。 3万円出せば、新幹線のぞみのグリーンで東京から博多まで行けるし、純粋に運賃だけなら、稚内から西大山まで(約3000km)行けるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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