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2009.04.11
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 今年になって読んだ本の中では、一番のお気に入り。
 なぜなら、「脳」や「結婚」「人生」「幸福」「死」等、
 私が、最近読んでいる本のテーマが、この一冊に凝縮されており、
 しかも、「なるほど!」と、腑に落ちるところが、とても多かったから。

 最初は、「自分探し」なんていうタイトルがついてるので、
 ちょっと軽めの本だろうと、全く構えることなく読み始めた。
 ところが、文体そのものは軽妙で、スラスラ読み進めることが出来るのに、
 内容はというと、相当に深~い哲学書だった(さすが1万年堂出版!)。

   ***

  あなたが求めてやまない「ほんわか気分」に、ほぼ確実になれる道は、
  結婚して家庭を持つことです。(中略)
  私たちの肉体は、結婚すれば(少なくとも4年くらいは)
  幸せになるようにできているのです。(p.18)

スタート早々、会心の一撃。
この「ほんわか気分」をもたらすのが、脳内のセロトニン。

  愛が芽生えると、脳の中の覚醒剤PEAの働きで、
  性交して子供を生むのに十分な期間、恋人同士が引かれ合います。
  その情熱が冷めたころには、脳内麻薬エンドルフィンによって夫は妻に強く愛着し、
  家庭にとどまって妻子を守ります。(p.35)

ところが、4年経つと変化が起こる。
なぜなら、子孫を増やすという観点からすれば、
子が離乳したら、パートナーを変えるほうが、より多様な子孫を残すのに有利だから。
かくして、愛は4年で終わり、離婚するカップルも出てくることに。

  男性にとって「気持ちよいこと」は、
  「生き延びて、精子を拡散するのに役立つこと」になっています。
  ひたすら精子をばらまくよう、絶えず男を駆り立てる刹那的ご褒美が「快感」なのです。(p.83)

精子、遺伝子に操られ続け、一生を過ごすのが、男という生き物のさだめらしい。

  「きれいな人と一緒になりたい」「気持ちいいことがしたい」「おいしい物が食べたい」
  と誘惑されて、欲を満たそうと努力すればするほど、
  子孫を残すのにはプラスになりますが、肝心な「私」は幸せにはなれません。(p.92)

そして、ここから先の展開には、思わず、どんどん引きこまれていった。

  歩く時も走る時も、大事なのは目的地です。
  目的が悪かったり無意味であれば、それに向かって努力すること自体が、
  価値のないものになってしまうからです。(中略)
  「すべての人が手段だけを考えて目的を考えないのは、なげかわしいことだ」と
  パスカルは愁えます。
  人間はいろいろなことを考えていますが、
  いちばん大事なことは考えていないのではないでしょうか。(p.98)

思い当たるところが多すぎて、思わず、読み進める視線の動きが緊急停止してしまった。
そして、次の箇所が、私が、本著の中で最も感銘を受けた部分。

  死を前にしたら何の価値もなくなってしまうものは、
  最初から意味のないものだったのです。(p.154)

これには、とてつもなく大きな衝撃を受けた。
何かスゴ過ぎて、最初は、言葉にならないほどだった。
日々、拘っていることや、眠れないほどに悩んでいたことが、
実は、ほんとうにちっぽけで、大したことじゃないと実感できた。

  人生のたそがれに夢から覚めた時、何が大事で、何が大事でなかったのか、ハッキリします。
  それでは遅きに失するから、
  パスカルは「あと1週間の生命しかない者のように行動しよう」と警告したのです。(p.155)

本当に、今まで、大事なことは、全然考えていなかったんだなぁと思う。
そして、最後の決め手は、次の部分。

  ソクラテスの重大な発見は、「私自身」と「私の体」とを区別したことです。
  魂(=本当の私)が、体の主人です。肉体は洋服。
  本当の私にとって体は付属品に過ぎません。(p.187)

この下りは、本当によく分かる。
というのも、私自身も、そんな風に、ずっと考え続けていたから。
つまり肉体は、「マジンガーZ」や「モビルスーツ」「バルキリー」のようなもので、
それを操っている兜甲児やアムロ・レイ、一条輝が、本当の私自身という感覚。
与えられた機体の能力(知能や身体能力)を駆使しながら、操縦しているという感覚。

  さて、ソクラテスが論じたように「私の体」と「私」が違うとすれば、
  「私の体」が死んだからといって、「私」も死ぬとはいえなくなります。(p.205)

本当の「私」とは、実体がないものなのか?
本当の「私」とは、どんな存在なのだろう。





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Last updated  2009.04.11 23:25:50
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