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カテゴリ:文芸
![]() 以前は、岡嶋二人という名前で、徳山諄一さんと共作していたと知った。 その頃は、井上泉と名乗っていたようだが、なかなか興味深い。 それで選んだのが、岡嶋二人最後の作品となった本著。 平成元年の作品だが、スマホはおろか、まだケータイもなく、 ポケベルを使ってた頃のお話し。 コンピュータのスペックも、今と比べれば驚くほど低く、 インターネットも普及していない。 そんな頃に、ヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』を用いたゲーム作製に、 自分の原作を使用するということで、参加することになった上杉彰彦。 今では、視覚レベルなら、かなり現実に近い感覚が得られるようになったが、 『クライン2』は、その他の感覚も、全てリアリティが感じられるというもの。 お話しが進む中で、どこまでが現実で、 どこまでがヴァーチャル世界のことなのかが、分からなくなっていく。 背筋が寒くなるようなエンディングは、見事と言うしかない。 現在にも、そして未来にも、ある意味、警鐘を鳴らす作品。 そして、これが「岡嶋二人」というヴァーチャルな存在に、 訣別する作品となった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.03.01 12:16:36
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