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Headline News

2015.06.06
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カテゴリ:社会・政治・時事
 村上さんの『アンダーグラウンド』『約束された場所で』を読み、
 森さんの『A3』を読んだ。
 そして、本著。
 真打ち登場と言ったところか。

 特殊な環境で育ち、かわいがってくれた父に特別な思い入れを持つ娘。
 しかし、その父の娘であることから、様々な場面で攻撃の対象となり、
 いわゆる普通の生活を営むことが出来なくなってしまった少女。
 その心の葛藤と父親への思い、周囲への様々な感情の吐露には、思わず引きこまれる。

  「事件」前、わたしの外見はすでに高校生でしたが、
  中学卒業程度の学力もありませんでした。
  そんなわたしが、正大師として負えもしない責任を負っているつもりになって、
  何もわかっていないことにすら気づかず、
  狭い世界の中で自分を賢いとさえ思っていました。(p.180)

  もう一つのコンビニエンスストアでのアルバイトは、時給の高い早朝勤務を希望しました。
  こちらは一年あまり続きました。
  最初の頃は、どの仕事も新しいことばかりで、覚えるのがとても大変でした。
  覚えが悪く回りから白い目で見られることもあり、非常に苦労したのですが、
  同時に、人に使われるのはなんと楽なんだろうとも感じました。
  自分で判断する必要がなく、
  リストに書いてあることをすればいいだけなので、気が楽でした。
  何かミスをしても、怒られたらいいだけの立場、
  勤務時間が終われば開放される立場に
  今までの立場との違いを感じざるを得ませんでした。(p.186)

彼女が、自分の状況や立場について、どのように認識し、
それがどのように変化していったのかが、よく分かる。

  でも、父に会いたいという思いを抑えることはできませんでした。
  いつか父の接見禁止が解けたら、個人的な悩みをたくさん相談したい。
  そして、そのとき父に聞こう。
  「お父さんが事件を指示したのですか。
  指示したとしたら、事件とは何だったのですか」と。(p.204)

父という存在が、彼女にとってどれ程のものであり、
また、そんな父を信じ続けたい気持が、よく表れている。

  4月28日、裁判所からわたしの学生の地位を仮に定める決定が下されました。
  裁判所は「当時11歳であった債権者(わたしのこと)が上記のような地位にあったことは
  債権者が自ら望んでなったものではなく、
  債権者が松本智津夫の子として生まれた故に逃れられなかった事実であり、
  日本国憲法の精神を体した教授研究を標榜する債務者(文教大学のこと)が、
  現在の債権者の姿に目を向けず、
  債権者の逃れられない過去を理由に錯誤無効を主張することは、
  出自による差別であり、憲法14条に反し許されないといわなければならない」として、
  入学拒否が憲法違反だという判断をしたのです。(p.209)

これは、大学だけの問題ではない。
行政もマスコミも、そして社会全体も、その行為について、同じことを問われている。

  わたしはずっと、人からの期待に応えるよう、嫌われないようにして生きてきました。
  そのため、批判されることは生を脅かされるほどの恐怖でした。
  しかし、相手の価値観や期待通りでないことによりなされる批判は、相手の問題であり、
  わたしが脅かされる必要はないものだと理解していきました。
  同時に、わたしも人に「価値観」や「期待」を押しつけ、
  相手の権利を脅かしていたのだと気づきました。(p.247)

もちろん、ここに書かれていることが真実かどうかは分からない。
『殉愛』『百田尚樹『殉愛』の真実』を読んで間もない今は、
特に、そういう思いが強い。
それでも、ここに記された言葉には、重みを感じた。





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Last updated  2015.06.06 19:06:00
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