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2016.08.15
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カテゴリ:社会・政治・時事
​ なぜ「橋下徹」は、多くの人たちから支持され続けるのか。
 なぜ「橋下徹」は、何をしても結局許されてしまうのか、
 他の人が同じことをすれば、再起不能に追い込まれそうなことですら。
 これまでずっと疑問を抱いてきたが、なかなか正解は見えてこない。

 こんな「橋下徹」を、つくり出したのは誰なのか。
 本著は、その根源の一つを在阪メディアに求め、追究するものである。
 本著では、橋下がマスコミに対してどのような態度・行動を示してきたか、
 そして、それに対し、マスコミがどのように対応してきたかが記されている。

   ***

  「今日の会見を見てもわかると思いますけど、
   彼はすべてにおいて『ああ言えばこう言う』で、
   屁理屈を付けて逃げ、決して反省するということがない。
   とにかく、口で負けない・間違いを認めないということだけが大事だから、
   その場その場の思いつきで詭弁でもすり替えでも何でもやる。
   口は異常に達者ですけれども、
   ほんとうの意味で対話が成り立つということがないんです。
   そういうことを繰り返すうちに、
   真面目に相手をしても無駄だと記者はみんな思うんじゃないですかね。
   私もそう思います。
   あの場で議論しても不毛なものにしかならない。」(p.136)

定例記者会見後、著者の取材に応じたある記者の言葉である。
『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術 』にも記されている
様々なテクニックを駆使しての記者会見。
その道のプロである記者たちですら、全く太刀打ち出来ない変幻自在の弁論術。

  常々、「選挙こそ究極の民主主義」と強調し、
  「民主主義は感情統治」と述べたこともある橋下は
  まさに「多数者の専制」を作り出そうとしている。
  それは民主政治が本来的に持っている矛盾であり、
  橋下ならずとも必ず社会に現れてくる現象なのだろう。
  問題は、それを利用して掉さすか、危惧を覚えて異を唱えるか-。
  しかし、橋下を番組に招き、異論も挟まず好き勝手に語らせている状況では、
  「口を閉ざし、敵も味方もなく競って多数の後に従おうと」
  していると言われても仕方がない。(p.186)

ここに出てくる「多数者の専制」は、フランスの政治思想家トクヴィルが、
『アメリカのデモクラシー』の中で指摘した現象である。
これに、世論にすり寄るメディアが加担する。
メディアは大衆が大きくなびく方向へなびく習性があると、中島岳志は言う。

  「だけど、彼がやってきたことを全部足せばマイナスになるでしょうね。
   一番深刻なのは、言論を劣化させたこと。
   意見や立場の違う人間を徹底的に攻め、論破し、
   黙らせたもの勝ちという価値観を広めてしまった。
   民主主義の劣化と言ってもいい。
   メディアの人間として悔しいのは、それに付き合わされたこと」(p.237) 

これは、ある在阪放送局のキャスターの言葉。
たとえ、弁論で相手を屈服させ、その姿に大衆が拍手喝采したとしても、
それが、直ちにその主張の正しさを証明するものではないということを、
「橋下徹」という存在は、教えてくれる。 





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Last updated  2016.08.15 15:10:10
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