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Headline News

2018.08.15
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カテゴリ:社会・政治・時事
​ 冒頭で、『特攻隊振武寮 証言・帰還兵は地獄を見た』に記された
 元陸軍少尉・大貫健一郎氏のエピソードが紹介されています。
 この部分を読んだだけで、特攻隊がどのような意味を持つものかが、
 しっかりと伝わってきます。

 そして本著のメインとなるのは、元陸軍伍長・佐々木友次氏のエピソードと、
 著者である鴻上さんによるインタビューです。
 が、佐々木氏以外にも、とても強く印象に残る人たちが登場します。
 その一人が、佐々木氏の上官であった岩本大尉です。

  21日、岩本大尉は呼び出しを受け、
  「死のツノ」のある飛行機に乗るよう命令された。
  陸軍最初の体当たり部隊の隊長に指名されたのだ。(中略)
  その姿を目撃した福島大尉は激しい怒りにとらわれた。
  よりによって、岩本を、航法の天才と言われた、最も優秀な操縦者を。
  体当たり攻撃を否定するために骨身を削って跳飛爆撃の鬼となっていた岩本を。
  上層部に政治的な意図があるとしか考えられなかった。
  「跳飛爆撃」の名手岩本大尉が、陸軍の一番目の特攻隊になれば、
  「もはや特攻しかない」というキャンペーンになる。
  特攻を否定した岩本大尉が一番に特攻したのだから、誰も逆らえない。
  岩本大尉は、人身御供として選ばれたとしか福島大尉には思えなかった。(p.36)

そして、もう一人が美濃部正少佐です。
当時29歳だった美濃部少佐は、作戦会議の末席にいましたが、
参謀長が、赤トンボと呼ばれた練習機を特攻に投入すると伝えると、
その無意味さを訴え、次のように述べたのです。

  「ここに居あわす方々は指揮官、幕僚であって、みずから突入する人がいません。
   必死尽忠と言葉は勇ましいことおっしゃるが、
   敵の弾幕をどれだけくぐったというのです?
   失礼ながら私は、回数だけでも皆さんの誰よりも多く突入してきました。
   今の戦局に、あなた方指揮官みずからが死を賭しておいでなのか!?」(p.265)

組織、しかも軍隊の論理、さらには当時の状況まで考え合わすと、
まさに命懸けの発言だったに違いありません。
美濃部少佐は徹底して特攻を拒否し、部下を誰も特攻に出さなかったそうです。
その代わり、夜間襲撃の激しい訓練を積み、確実な戦果を挙げました。

  会社の上司も教育現場の管理職もスポーツチームの監督も
  同じ苦悩も持っていると思います。
  「命令した側」の経験のある人なら分かるでしょう。
  「精神」だけを語るのはとても簡単なのです。
  けれど、自分達を分析し、
  必要なことを見つけだすことがリーダーの仕事なのです。
  それができなければ、リーダーではないのです。(p.262)

著者は、現在その真っただ中にある、高校野球の在り方についても言及しています。
組織とは何なのか、リーダーとは何なのか、
そして、その中で生き、職責を果たすとは何なのか。
改めて考えさせられる一冊でした。





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Last updated  2018.08.15 18:08:15
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