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カテゴリ:文芸
![]() カウンターで出迎えてくれるのは、司書になるべく勉強中の小柄な森永のぞみ。 そして、奥にあるレファレンスコーナーにいるのが、 白くて大きなベテラン司書・小町さゆり。 訪れた人に「何をお探し?」と声をかけ、そのリクエストを確認すると、 ものすごい速さでパソコンのキーボードに入力し、お薦めリストをプリントアウト。 そこには、リクエストに応える何冊かの書籍と共に、「?」の一冊が。 さらに、付録として彼女が手作りした羊毛フェルトが手渡されます。 総合スーパーの婦人服売場で働いているものの、転職を考えている21歳の朋香には、 パソコンの使い方が載っている本と共に『ぐりとぐら』、そして付録のフライパン。 家具メーカー経理部で働きながら、アンティーク雑貨屋の開業を夢見る35歳の諒には、 起業について書かれた本と『英国王立園芸協会と楽しむ 植物のふしぎ』に付録のキジトラ猫。 かつては出版社の雑誌編集をしていたものの、現在は資料部で働く40歳の夏美には、 絵本と石井ゆかりの著作『月のとびら』、そして付録の地球。 30歳にもなって就職もせず家でぷらぷらしている浩弥には、 『ビジュアル 進化の記録 ダーウィンたちの見た世界』だけが記され、付録は飛行機。 半年前に定年退職し、妻の勧めでコミュニティハウスの囲碁教室にやって来た65歳の正雄には、 囲碁の本と草野新平の著作『げんげと蛙』、そして付録のカニ。 そして、この「?」の一冊と付録との出会いが、 5人が、それぞれに新たな道を歩んでいく契機となっていくのです。 期待を裏切らない青山さんらしい一冊。 気分ほっこりです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.06.11 10:59:12
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