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2024.09.08
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​ 日本版刊行についても様々な議論や批判が起こり、一度は発売中止に。
 しかし、今年4月に産経新聞出版より現在のタイトルで刊行されました。
 どの項目についても、丁寧な取材に基づいて事細かく記述されており、
 読み進めるのに随分時間がかかりましたが、読むべき価値のある一冊でした。
 
 本著で述べられていることのポイントについては、
 岩波明さんによる「解説」を読めば、凡そ理解出来るようになっています。

  本書に記載されているように、米国のトランスジェンダーの推進者、活動家たちは、
  当事者本人が「性別違和」を自覚し認識していれば「性別違和」と「診断」され、
  希望があれば、その後の医療的処置を受けることは当然の権利であると主張している。  
  (p.328)

この後、岩波さんは、「本書に登場したルーシーや他のトランスジェンダーの少女たちは、
長期経過という視点から言うと、思春期になって性別違和を自認しているので、
本来の性別違和と診断することは難しい。」と述べています。
素直に頷くことの出来る指摘でした。

  本書の著者によれば、トランスジェンダーの急増という状況を引き起こした原因として、
  教育現場と精神保健の問題をあげている。
  多くのハイスクールや大学では、性別違和を訴える少女を擁護し、
  時には親に知らせることなく、男性名の使用を認め、
  積極的にホルモン療法や手術に誘導することも行われているという。
  また多くのケースでは、精神保健の専門家(医師やカウンセラー)も、
  当事者の訴えをそのまま受け入れ、「性別違和」のお墨付きを与えている。
  医師のお墨付きを得た患者は、思春期抑制のためのホルモン療法やテストステロンの投与、
  さらにトップ手術にまで至ってしまう。(p.328)

著者による本文では、このあたりの状況について逐一詳細に記しています。
公立校で5年生の担任が、親だからといって望むものが常に手に入るとはかぎらないと説明し、
「親が学校に来て、『うちの子をそんな名前で呼んでほしくありません』と言ったとしても、  親としての権利は、子供が公立校に入学した時点でなくなるのです」(p.125)という発言は驚き。

また、女性から男性へ医療処置で性別移行した有名なトランスセクシャルによる
「16歳で乳房を取り去って、ホルモン投与を受けて、
10年後に『やっぱりやらないほうがよかったんじゃないか』と悔やむなんて想像できるか?
考えるだけでもいたたまれない」(p.292)という言葉には、強い衝撃を受けました。

  現在のトランスジェンダーの問題は、医療的な問題よりは、
  差別と少数者の権利擁護の問題という側面がクローズアップされている。
  これは米国でも、日本でも同様である。
  そのため、どうしても、社会的、あるいは政治的な視点から語られることが多く、
  反応も先鋭化しやすい。この本の著者に対しても厳しい批判が行われた。
  しかしながら、この問題は、本来医療の問題である。
  多数の症例を集めた客観的なデータに基づいて性別違和の定義を確立し、
  標準的な治療方針を得ることが何よりも求められている。(p.332)

最後の3行については、頷くしかありません。
また、トランスジェンダーをめぐる問題と
「偽の記憶」あるいは「抑圧された記憶」に関する問題との類似性も興味深いものでした。
『抑圧された記憶の神話』も、機会があれば読んでみたいと思います。





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Last updated  2024.09.08 11:03:44
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