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ロヒンギャを襲う21世紀最悪の虐殺(2/4編)
= NewsWeek_Column_2017年9月20日(水) 前川祐補(本誌編集部)


逃避先の日本でも民族差別は終わらない
「高校生になるまで、自分たちが迫害されていると思ったことはなかった」。ラカイン州で生まれ育ったロヒンギャのゾーミントゥット(45)は、幼少期をこう振り返る(編集部注・ミャンマー人の名前は姓名の区別がない)。

軍や当局から毎日のように暴行を受け、コメや金を強奪されていたロヒンギャにとって、迫害は日常だった。軍政下で厳しい情報統制が敷かれていたため他地域の事情を知ることもなく、ロヒンギャ同士でも軍を刺激する発言ははばかられていた。「自分たちが特別と思っていなかった」 ゾーミントゥットの運命を変えたのは、スーチーとの出会いだ。

当時の首都ヤンゴンの大学に通っていた時、住んでいた場所から歩いて15分の所に彼女の家があった。自宅軟禁されていたスーチーは、庭先でよく演説を行っていた。ゾーミントゥットは実家のあるラカイン州を出た後、ミャンマーの政治状況を詳しく知る。ロヒンギャ迫害だけでなく、国全体を支配する軍政の圧政を知り、怒りを覚えた。

88年の大規模な学生運動をきっかけに、民主化の機運が再び高まっていた頃だ。彼は大学の友人らとたびたびスーチーの家に足を運び、演説に聞き入った。 95年のある日、スーチーはゾーミントゥットらを自宅に招き入れた。91年にノーベル平和賞を受賞した偉大な人物は、学生たちにこう話した。「あなたたち、言いたいことがあるのでしょう? なぜそれを口に出さないの?」

彼女が発した言葉はそれだけだった。当時、軍の厳しい監視下にあったスーチーは、具体的な政治行為を促す発言を禁じられていた。たった5分間の出会いだったが、打倒軍政の思いを奮い立たせるには十分だった。

翌96年、ゾーミントゥットは88年以降で最大規模となる民主化デモに参加し、学生たちを指揮した。だが、軍の前に学生たちは無力だった。即座に捕まり、4カ月間拘束された。釈放後も当局の取り締まりが終わることはなく、ヤンゴン出身の友人たちの家には次々と軍が入り込み、暴行を加えた。 それでも、ロヒンギャであるゾーミントゥットの危険度は、ミャンマー人の友人たちとは格段に違う。

ゾーミントゥットが次に捕まれば、それは死に近づくことを意味する。 当局の追跡を避けるためヤンゴン市内を逃げ回り、友人やその知り合いらの家を転々とする。時に古びた工場に逃げ込み身を隠した。移動は夜、暗闇の中だ。半年間ほど逃亡生活を続けたが、「もう逃げ切ることができない」と考え、生き延びる手段として国外脱出を決断。つてを頼って偽造パスポートを扱うブローカーにこぎ着けた。



98年、偽造パスポートの作成料とブローカー料、当局への賄賂と東京行きの航空券含めて約8000ドルを支払い、「パスポート」を手にした。名前も生年月日も異なるパスポートを。 それから19年。ゾーミントゥットは今、日本の埼玉県桶川市に家族と共に暮らしている。

「怖かった。偽造パスポートがばれて連れ戻されるのではないかと不安だったから」――。来日した当時の様子を、今も怯えるように話す。 来日直後は、夜勤のアルバイトで生計を立てた。慣れない文化や社会にとまどいつつ、日本の生活に溶け込むため日本語を必死で覚えた。

ミャンマー政府の巧妙な浄化策
「景気はあんまり良くないね」と、流暢な日本語で話すゾーミントゥットは、10年ほど前、スクラップ工場の経営を始めた。中古の自転車や家電製品を売買している。川越市の事務所にやって来る日本人の取引先から「社長」と呼ばれ、硬軟織り交ぜた口調で仕事をさばく姿は敏腕経営者といったところだ。景気が悪いと言いつつ、新たな土地を買いビジネスの拡大にも余念がない。同郷の妻と4人の子供たちの生活も安定している。

「子供たちは日本の学校に通っているが、行政はとても面倒見がよくて何も困っていない」と、ゾーミントゥットは言う。祖国での壮絶な経験を経て、無一文から日本で今の地位を築いたのは、「苦難の民族」ロヒンギャ故のバイタリティーなのかもしれない。 ただ、そんな彼を今も悩ませるのは、やはり祖国で苦しむ同胞たちのことだ。

なかでも一番の懸念は、祖国にいるロヒンギャが「自発的に」外国人としての立場を受け入れてしまっていること。ミャンマー政府は、武力だけにとどまらない浄化政策も進めている。 「無国籍」のロヒンギャに対して、当局は必死にあるカードを受け取らせようとしている。「NVC(National Verification Card)」と呼ばれる外国人仮滞在証明書で、建前上は市民権を申請できることになっている。

だが「このカードは罠だ」と、ヤンゴンでロヒンギャの人権改善を訴える活動を行うチョースオンは言う。このカードを受け取った時点で、自らを外国人だと認めることになるからだ。しかも軽微な罪を犯しただけで簡単に取り上げられ、取り上げられれば再発行の可能性はほぼない。



国籍法が施行される約30年前の55年、軍政になる前のミャンマー政府は「国民登録カード」と呼ばれる証明書を配布しており、ロヒンギャたちもこれを手にしていた。つまり、法的にもミャンマー人だった時期があるのだ。

政府はその後このカードを回収し、今はその代わりにNVCを持たせることに躍起になっている。ロヒンギャが「自発的に」外国人になれば、ミャンマー政府は合法的に国外追放に追い込める。

NVCがなければ銀行口座を作ることもできず、社会生活が送れない。カードはロヒンギャの国内移動の自由も保障するが、それ以外にも政府は学校での進級や進学の際に提出を求めている。 つらいのは進学を希望する子供にせがまれることだと、ゾーミントゥットは語る。事情が分からない子供から「お願いだからカードをもらって」とせがまれた親が泣く泣くカードを受け取ってしまう。だが手にしたら最後、外国人になってしまう。

ミャンマー政府は国際社会の目を気にして武力弾圧を躊躇しがちにはなったが、その代わりにNVCという新たな手を使っている。NVCを絶対に受け取るなと、異国に逃れたロヒンギャたちは祖国の同胞に呼び掛けている。 だが、巧妙な手口で「非・国民化」を迫るミャンマー政府の罠に落ちるロヒンギャは後を絶たない。

ミャンマーにはロヒンギャ以外にも、政府と対立する民族が多くある。ラカイン州にはラカイン族と呼ばれる民族がおり、歴史的に政府との軋轢が絶えなかった。 彼らとの全面闘争を避けたいミャンマー政府は、同じ地域に住むロヒンギャを悪玉に仕立てることで、ラカイン族の政府への反感を和らげようとしている。

スー・チー、ロヒンギャ問題で国民に演説 全ての人権侵害を非難:​http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/09/post-8476.php​ 
中国、ロヒンギャ族へのミャンマー治安部隊による反撃を支持:​http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/09/post-8457.php​ 



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。  
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Last updated  2017/10/02 06:00:13 AM
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