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カテゴリ:フランス語
血気盛んだった頃は、「T」を「テー」と言ったり、「D」を「デー」と言ったりするおじさん達が許せませんでした。
「テー」なんて言ってるのを聞くとイライラして、「そりゃティーだろっ!」って心の中で思ったりして。 今思うと一本取られてましたね、このおじさま方に。 だって「T」を「テー」、「D」を「デー」と発音するのはフランス語じゃありませんか。 当時フランス語のフの字も知らなかった私は、それすら気付かず一人でプンプンしてました。 なぜ今そんな話かと言うと、つい先日久しぶりに「誰、これ?」って思う名前を聞いたからです。 マリア・キャレー 誰のことだか全然わかりませんでした。 で、テレビの画面を見たらそれはマライア・キャリーのことでした。 日本語でも「まらいあ・きゃりー」と日本語で発音すると、きっと英語圏の人にはわからないのだろうから人のことは言えないのですが、マリア・キャレーもわからないですよね。 この通り、フランス語で発音する英語って難しいのです。 自分で発音できない言葉は聞き取れないなんて言いますが、まさにその通りで、フランス語スタイルで英語を読むなんてやったこともなかった私は、当初ずいぶんと苦労したものです。 一番最初にショックを受けた言葉は、「ディスネラン」 その度に聞きなおして一旦意味がわかるのですが、後でまたこの言葉を急に聞くと全然わからなくなる不思議な言葉、ディスネラン。 DISNEYLAND のことでした。 英語と言えど最後の子音を発音しないフランススタイルです。 このように外来語でもフランス風発音でフランス語にしてしまうフランス人ですが、英語をしゃべるときはちゃんと英語風に発音しています(だいたい。そしてHの発音がよく抜けるのでHAVEがAVEになったりする)。 が、アクセントはやっぱりフレンチ。 フランス人の英語がどんな感じか詳しく知りたいと思われる方は をご覧下さい。 ジョン・マルコビッチが悪いフランス人を演じていて、まさにフランス人の英語をしゃべっています。 (余談ですが、イギリスやアメリカ映画では悪者と言えばフランス人が多いですね。戦争ものはドイツ人ですが。) パリに来て最初に勤めた会社では、パートナーの会社が海外の会社だったので、英語が多く使われていました。 こうして1年半、フランス訛りの英語の洗礼を受けた私。 ある日、スコットランドの知り合いに電話をしたが不在だったので留守電を残しておいたところ、折り返し電話が。 「留守電聞いたけど、フランス語訛りがきつすぎてよくわからなかった」 ガーン・・・。 結構ショックでした・・・。 今でも英語を話さなければならないときは、これが気になってしかたがありません。 もともと英語の発音がうまかったわけでもなんでもないのに、さらにフランス語っぽい発音になったりなんかしてたらもう救いようがありません。 仕事上どうしても英語が必要なときがあるのですが、そのときも「あ~、しゃべってる、しゃべってる、またフランス語っぽくしゃべってる」と思いながら話しています。 つまり、外国から英語でかかってきた電話の場合、相手は私がフランス人だと思っている確率大なのです。 ある意味すごいですね。 「耳で覚える○○語」をそのまま実践しているようではありませんか。 実はパリに来てからちょこっとドイツ語を習ってた時期があるんですが、そのときも他の生徒さんが全員フランス人だったので、やはり発音が気になりました。 ICHって・・・大学では「イッヒ」って発音するように習ったのに、こっちじゃ「イッシ」。 先生はドイツの人でしたからちゃんと発音されているのですが、先生は1人。対して「イッシ」と発音する人が30人。 こりゃあどちらに染まってしまうかは明白でしょう。 私は結局2年ほどそこで遊んでやめちゃいましたが、最後の方はやっぱり「イッシ」系になっていました(今ではそれすら忘れてしまっていますが・・・)。 大人の脳でもこれだけ洗脳されるのですから、子供が外国語を覚えるのなんてほんとにわけないことなんだなってあらためて感じます。 ただ、フランス人にフランス語訛りの英語を話さなければならない時・・・これは緊張します。 なんてったって、彼らはフランス語訛り英語のネイティブですから。 一番緊張するのはタイトルが英語のままの映画の券を窓口で買うとき。 映画館では映画の種類毎に窓口が違うということはありませんから、券を買うときは窓口で映画のタイトルをはっきりと口にしなければならないのです。 毎回毎回、私の発音では通じないのではないかと緊張するので、余計に言いにくくなっちゃいます。 「はあ?」って聞きなおされるとどうしようかと思っちゃうんですよね・・・。 フランス語が通じなかった場合は、いかにもあんたが聞こえなかったんでしょ?という感じで大きな声で言い直しますが(というくらい神経が図太くなってしまいました・・・涙)、英語の場合はなぜか自信がありません。 余計にしどろもどろになっちゃったりなんかして。 で、話の始めの方に戻るわけですが、こうして英語のタイトルの映画を観た後に、フランス人の友達から「ねえ、○○もう観た?」と聞かれると、私は必ず固まります。 その「○○」が一瞬何のことだか聞き取れないのですね・・・。 自分が発音できない言葉は聞き取れない。 語学の鉄則ですね。 「フランス語的英語」、続きます(続きはすぐには書けないかもしれませんが)。次回は「フラングレ」の予定。 クリックよろしくお願いします! → も開館中。 パリの写真を毎日公開しています。こちらもよろしく! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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