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テーマ:フランス語のお勉強日記(433)
カテゴリ:フランス語
ちょっと前にフランス語的英語という日記を書きましたが、今回は英語的フランス語とでも言うべきフラングレについてちょっとだけ。
フラングレとはフランセ(フランス語)+アングレ(英語)から来た単語で、英語が混じったフランス語という意味。 その昔、イギリスでは上流階級の人はフランス語を話していたのだから、英語にはフランス語の影響がたくさん残っています。それが今ではフランス語が英語に影響されるという現象が起こっているというのはおもしろいですね。 日本語では、語尾に「る」や「する」をつけて新語の動詞を作ることがありますが、フランス語ではこの「る」や「する」にあたるのが「ER」。 これを付けると動詞ができます。 例えばstop。これはstopperとなります(発音の都合上Pが2つになってますが)。 ストレスを与えるという意味のstresserだって元々は英語です。 動詞だけでなく名詞にも英語の単語がたくさんあります。 パリに来た当初、「へえ、こうやって使っていいんだ」と思った最初の単語はmeeting。 フランス語にはréunionという言葉もありますが、meetingは普通に使っても驚かれない言葉です。 FAX。これはもっと一般的。 これはERをつけてfaxerという動詞も存在します。ただ、なんとなくあんまり使わないですね。なんとなくfaxerっていう響きが悪いような気がします。 名詞の方は普通に使いますけどね。 faxに対応するフランス語はtélécopie。 téléはテレビジョンのテレ、テレパシーのテレと同じで「距離が離れている」という意味、copieは文字通りコピーで、télécopieは離れた場所にコピーするという感じでしょうか。 FAXの機械のことをtélécopieurと呼ぶことはあっても、fax自体をtélécopieと呼ぶのはあまり見聞きしなくなったように思います。 私が知っている限りでtélécopieという言葉を連発していたのは、もと上司のみ。 TELECOPIE世代とFAX世代の狭間の世代だったのかどうか・・・。télécopieは女性名詞でla télécopieなのでこの意識があったのでしょうが、この上司が書くfaxにはすべて"la"fax となっていました・・・。 でも実際はfaxは男性名詞で"le" faxなんです。 最初は単なる間違いだと思っていたのですが、どうやら本気だったようで・・・。 念のため同僚に確認しましたが、「ああ、あの人、どういうわけかずっとla faxなんだよね」の一言。 フランス人でもこういう間違いがあるのかと感心した次第です。 一般的にfaxのような外来語は男性名詞であることが多いようです。 上のmeetingだって、フランス語はla réunionと女性名詞ですが、同じ意味でもmeetingの方はle meetingと男性名詞ですし。 さて、英語単語が満載のコンピューター関係。 日本語ではこの分野の文献はへたすると半分以上がカタカナ用語で、ほとんど意味がわからないなんてピンチにも陥りがちですが、フランス語は結構健闘しています。 がんばり方としては、ホームラン=満塁打、フォアボール=死球のような感じでしょうか。 実は、今なぜかこのコンピューター関係の授業が必須で、知っててもあまり我々には直接関係のないコンピューターの構造なんかを覚えなくてはいけないのですが、computerをordinateurと呼ぶことから始まって、中身に至ってもそれぞれフランス語の名前が使われています。 そして授業では英語単語は厳禁! 「RAMはランダムアクセスメモリーと英語では言いますが、当授業では英語は使いません。 mémoire viveと呼びます。」 「ソフトウェアとは言わない!logicielと呼びなさい」 等々と言われるわけですが、こうして長々と説明をした後に、先生が使った言葉が「UPGRADER」。 どう見てもアップグレードという英語を得意のERを使って動詞にしただけのような言葉ですが・・・。 やっぱりコンピューター関係を語るに当たってはフラングレが必須なんでしょうか? ところで、本場フランスよりはるかに健闘しているのはカナダのケベックの人々のようです。 英語の単語を使わずに、とてもうまくフランス語単語を新造しています。 有名なのはcourrielという単語。 フランスでは英語のmailを使うか、それがいやだったらcourrier electronique(電子郵便)という単語しかなかったのですが、ケベックの人がそれらをうまくミックスしたcourrielを発明してくれました。この言葉はパリに来るまで知りませんでしたが、見て意味がすぐにわかりました。それくらい優れものの言葉だと思います。 ケベックのフランス語は18世紀のフランス語だと言われていますから、この言葉に英語単語を混ぜてもそぐわないので新語を作って時代に合わせようという試みなのでしょうか? メールと言えば、先日学校でmélなる言葉を発見しました。 その後にメルアドが書いてあったので、mailのつもりなんでしょうが・・・。 他のどこを見てもこんな単語が使われているようすはなく、フランス人に聞いてもこんなの見たことないと言われます。 学校ではオフィシャルにmélを使っているようなんですけどね・・・。 英語を使わないようにがんばったというのなら大健闘と言うべきなんでしょうが、フランス語ではaiをエと発音するから、発音通りに書いちゃっただけというほうが正しいのかもしれません。 このご時世、どの国でも特にコンピューター・機械関係で無理に英語を使わないのは返って難しいですね。 クリックよろしくお願いします! → ![]() ![]() ただいまの写真をアップしています。こちらもよろしく! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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