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2005.01.15
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テーマ:戦争反対(1190)
カテゴリ:災害関連
陸自5万、特殊部隊も動員 南西諸島有事で対処方針 1月16日2時16分 (共同通信)
 防衛庁が「島しょ防衛」について検討する部内協議で「南西諸島有事」を想定、海上での侵攻阻止などの対処方針をまとめていたことが15日、防衛庁の内部資料で分かった。南西諸島有事に対する防衛庁の方針が明らかになったのは初めて。
 方針では本土から戦闘機、護衛艦の派遣のほか、侵攻への直接対処要員9000人を含め5万5000人の陸自部隊、特殊部隊の動員を定めており、尖閣諸島の領有権で対立する中国への警戒感が背景にあるとみられる。
 防衛庁幹部は「南西諸島は大半の島に自衛隊部隊がなく、防衛面で空白地域が多い。中国は昨年11月に領海侵犯するなど活動範囲を広げており、動向に注目する必要がある」と話している。
■ボーイスカウトのモットー「備えよ、常に」って事ですね。
先日紹介した小泉総理の国会答弁ではないですが

>諸国民の公正と信義。その公正と信義のない国もあるのも過去の歴史が証明しております。

残念ながら世界は善意で動いていないんですねぇ。

インド洋大津波 陸自医療チーム出発 出遅れ…輸送力にも課題 1月15日2時58分 (産経新聞)
 インド洋大津波で、陸上自衛隊の医官ら約二十人で構成する「応急医療チーム」が十四日、航空自衛隊のU4多用途支援機などでインドネシアに出発した。輸送支援を行う陸自本隊に先立つ派遣で、水や食料など「自己完結能力」が不十分な中で医療支援に着手するが、「他国に出遅れている」との指摘もあり、政治判断と自衛隊の輸送力の向上が課題として浮き彫りになった。
 応急医療チームは、犠牲者の最も多いインドネシア・スマトラ島北部のバンダアチェに入り、十八日ごろから支援活動を開始する。

(中略)

 二十一日ごろには約三十人の防疫チームも出発する。今月末からバンダアチェで、マラリアやデング熱といった病原菌を媒介するハエや蚊などの害虫を駆除する。
 前進基地に想定していた海自の輸送艦「くにさき」が二十五日にアチェ州沖に到着するまでは、応急医療チームに対する兵站(へいたん)面での支援は十分ではない。水は飲料用のペットボトルだけで、食料はレトルト携行食。風呂はなく、洗濯もできないため、衣料用の消臭剤を持ち込む。
 バンダアチェ周辺では今月初旬から展開しているオランダをはじめ、フランス、スペインなど各国の軍が医療活動を実施。JICA(国際協力機構)も一月二日から医療チームを派遣しており、自衛隊の出遅れを指摘する声もある。
 四日ごろにはインドネシアから医療チームの派遣要請がありながら、首相官邸はいったん今月末の派遣を決定。その後、前倒しを指示し、十一日になって医療チームの先行派遣が決まったが、「指示があれば数日で出発できた」(防衛庁幹部)。
 自衛隊の国際協力活動が国土防衛より低い「付随的任務」と位置づけられ、「外征軍型」でもない自衛隊は、今回も移動に民間機を使用するなど輸送能力に課題を残した。来年度からの五年間の中期防衛力整備計画(中期防)では新輸送機を八機配備する予定で、「航続距離が長く、積載量も多い輸送機の整備は急務」(同)といえる。
■まぁ産経らしい記事ですね。

>四日ごろにはインドネシアから医療チームの派遣要請がありながら、首相官邸はいったん今月末の派遣を決定。
>その後、前倒しを指示し、十一日になって医療チームの先行派遣が決まったが、「指示があれば数日で出発できた」(防衛庁幹部)。


まぁ自衛隊とはいえ「軍隊」ですから命令があれば実行します。
しかしそのツケは結局現場が払わされる訳で

>前進基地に想定していた海自の輸送艦「くにさき」が二十五日にアチェ州沖に到着するまでは、応急医療チームに対する兵站(へいたん)面での支援は十分ではない。
>水は飲料用のペットボトルだけで、食料はレトルト携行食。風呂はなく、洗濯もできないため、衣料用の消臭剤を持ち込む。


と、計画も無しに人だけ送ればどうなるかといういい例ですね。

今までさんざん言ってきましたが自衛隊が災害派遣で重宝される一番大きな理由は「自己完結性」なんですね。
自分達で全てまかなえる、その能力こそ災害時に最も貴重な訳です。
例えば

野外炊具1号
浄水セット
宿営用天幕
業務用天幕(一般用)
野外入浴セット2型
野外洗濯・乾燥機セット
野外支援車

と災害派遣で役立ちそうなものを上げてみました。
これらを国際協力活動に持って行くという事は受け入れ国に負担をかけることなく活動が出来ると言う事です、これは非常に大きい事ですよね。
いくら助けに行っても受け入れが被災国の負担になっていては意味がありませんからね。
と同時に、自前で何でも賄えると言う事はそれを被災者に供給出来るとも言えます。

基本的に警察や消防は社会基盤が成り立っていて活用出来るという前提で組織が成り立っていますから、災害時など社会基盤そのものが破壊された状態ではその能力は限られたものとなります。

記事にあるJICAの医療チームによる国際緊急援助隊はこのブログでも何度か紹介しましたが、彼らの活動はアルジェリア地震の場合で2週間程度です。
例えば今回スリランカに派遣された医療チーム(一次隊)は現地小学校で医療支援活動を開始しスリランカ軍の協力を得て軍キャンプに滞在しています。
第一次隊は今月5日に活動を終え、診療所や医薬品を二次隊に引き継ぎ二次隊は7日から診療が再開するそうです。

自衛隊とどこが違うか、もうお分かりですね。
要はJICAの国際緊急援助隊医療チームは「即応性」に重点を置き、医師という特殊技能で「人的貢献」をしているという訳です。


>自衛隊の国際協力活動が国土防衛より低い「付随的任務」と位置づけられ、「外征軍型」でもない自衛隊は、今回も移動に民間機を使用するなど輸送能力に課題を残した。
>来年度からの五年間の中期防衛力整備計画(中期防)では新輸送機を八機配備する予定で、「航続距離が長く、積載量も多い輸送機の整備は急務」(同)といえる。


そうなんですよね、根本的なところで国際協力活動だろうが何だろうが海外展開能力って言うのはとどのつまり「外征力」であり「海外侵攻能力」なんですよね。
要は運ぶのが「侵攻部隊」か「援助部隊」かの差だけなんですよ。
米帝がこう言う時に迅速かつ大規模に部隊や物資を派遣したり送れるのは、結局彼らの世界一の海外展開能力が根底にあるわけで、その備えのない我が自衛隊にそれを求めるのは無茶と言うものです。
詳しいことは参考リンクの「ミリ屋哲の酷いインターネット」をご覧下さい。

かつてC-1輸送機を導入する際にあまり長距離を飛べると近隣諸国の恐れになるという訳の分からん論理で飛行機自体の大きさと航続距離が制限を受けました。
お陰で貨物満載(8t)時で航続距離がたった1,300kmですよ。
開発当時はまだ沖縄が本土復帰していない状況だったので国内だけでの使用を前提としたため 長距離飛行が不得手で、硫黄島への訓練飛行でも増槽が必要です。
で、増槽をつければ当然の如く搭載量は減ると。

当然の如く使えないという事が判明w
C-1は、予定の約半数の31機で生産が終了し、自衛隊の主力輸送機になりきれず、後年改めて「空輸能力の強化」が計られC-130Hハーキュリーズ輸送機(航続距離7800km)を導入せざるを得なくなりました。

まぁ、「本土決戦」が叫ばれた昭和20年から本質的に何も変化していない「本土決戦型」の自衛隊を「外征型」の米帝軍と比べて文句を言うのは筋違いって事ですよ。

参考リンク
スマトラ沖地震対処:自衛隊の対応は遅いのか?(ミリ屋哲の酷いインターネット)
平成15年度外務省第三者評価・国際緊急援助隊評価報告書(外務省)

陸自派遣延長、78%支持 イラク・サマワで調査(共同通信) 1月15日16時27分 (共同通信)
 【カイロ15日共同】陸上自衛隊がイラク南部サマワへ派遣されて19日で1年を迎えるのを機に、共同通信が地元紙アッサマワに委託し、地元ムサンナ州で今月初旬に行ったアンケートで、日本政府の陸自派遣延長の決定について78%が支持すると回答、不支持は13%だったことが15日までに分かった。
(中略)
 活動を不満とする理由について「事業が小規模」との回答が半数近くに上った。また4割以上が「電力供給」を今後期待すると答えており、生活の改善に直結する大規模事業を望んでいることが数字で裏付けられた。
( ´,_ゝ`)プッ

サドル師も調査してるみたいですがそっちの数字も楽しみですね。





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Last updated  2005.01.16 15:55:48
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