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カテゴリ:ブログ冒険小説
パダウの呪い
光あるうちに光の中を歩め(トルストイ) (6)
オートキャンプ場から裏洞爺湖畔の林を抜けると、2m程で湖見ずである。黒装束の3人は、林の中にカモフラージュして隠していたゴムボートを湖水に浮かべた。 2馬力の電動式スクリューを動かし、湖面へと滑った。エンジンと違いスピードは出ないが、音も無く闇に紛れ進んだ。湖水に浮かぶ中島を過ぎたところで、3人は黒装束を脱ぎ、キャップを被りマスクをした。 ゴムボートは洞爺湖の東対岸へと進んで行った。 洞爺湖の東対岸、上陸地点まで約5kmである。 ゴムボートが東洞爺湖畔に着いた。そこにも林があり、国道からの視野を遮っていた。まして平日の夜間である。洞爺湖温泉街を除けば、車と人の往来はほぼないに等しい。また警察の検問は、この地点から温泉街500m戻る、壮瞥町との分岐点の国道にはられていた。 5分後、3台の車に分乗した3人は、上陸地点の道道を温泉街と反対方向へ走った。北へ。車は5分おきに発進。 数分で、緩やかな丘の奥に建っている鉄筋コンクリート造2階建ての、東南に窓を広げた『M&N研修センター』の門をくぐって行った。 「ご苦労さん、と言いたいところだが、『書類』が手に入らなかったから、無駄だったな。いや、逆に俺たちの落ち度がクローズアップされてしまった」3人を前にして、リビングのソファにいた鬼頭 豪(きとうごう)が、白髪をかき分けた。「鬼頭さん。とんだ邪魔が入りまして……」男が言いかけた。「良いんだよ。責めるのは安易なことだ。何事も完璧にやれるはずもないからな。ただな、我々の任務は『書類』を山根から奪取することだ。いかなる手段をもってしても。我々に多少の犠牲が出てもだが」そう言って鬼頭はメモを見た。
日本には「高度人材・高度技能実習生、そして留学生」のミャンマー人が約21,000人いる。これはベトナム人に次ぐ多さである。 だが、新型コロナウイルスパンディミックで、ミャンマー人の「働き先」の雇い止めが相次いでいた。困窮したミャンマー人たちは、山根に相談した。だが、山根には対処する方法も資格もなかった。そこで山根は、尊敬している赤石弁護士を頼った。さらに想定外の事態が生起した――ミャンマー国軍のクーデターで、アウンサー率いる「準民主的政府」が一夜でひっくり返ってしまったのだ。その後もミャンマー国軍の残虐行為は、国際社会の是正勧告を無視し、やりたい放題で続いている。 ミャンマー人の歴史的精神性(19世紀、ミャンマーは王国だった。最後の王となったが、この王は植民地化を目指す英国軍に徹底抗戦した。アジアの諸国で最も英国軍に抵抗して戦ったミャンマー王国だったのだ。詳細は、北小路が述べるはずだ)とも言えるが、在日ミャンマー人、特に留学生を主体とした『反ファシスト抵抗戦線』が発足し、技能実習生らにもその輪は広がっていった。彼らは母国ミャンマーの民主派が設立した『挙国一致政府(NUG)』に呼応して、反ミャンマー国軍との武力闘争に『民主主義国家ミャンマー』樹立の活路を見出した。 そして彼らは、新型コロナ下の入出国制限の緩和を待っていた。もちろんだが、彼らがミャンマーの国際空港に降り立つことは出来ない。ミャンマーの隣国、タイ・インド・バングラディシュへの入国を目指していた。 山根行政書士に、北海道内の在日ミャンマー人らの出国手続きの依頼が殺到していた。山根はミャンマー国軍のクーデターに憤りを持っていたひとりだ。彼はいつの間にか『反ファシスト抵抗戦線・北海道支部』を支援する日本人の中心人物となっていた。それは山根の意志でもあったが…… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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おはようございます。藤井三冠,『棋聖』の就位式で、「自分としては、結果は目標にする事はない・・・タイトル戦・・・成長できれば・・・」、勝ってもおごらない姿勢が、好感が持てますね。
偉い相手に狙われましたね。 今日も良い一日をお過ごしください。 (2021年10月11日 06時46分48秒)
おはようございます。
本日のご挨拶と応援に参りました。 いつも応援コメントありがとうございます。 笑顔でいれば嫌なこと忘れられる。 笑顔でいれば悲しいこと忘れられる。 笑顔でいれば涙が消える。 笑顔でいれば幸せがやってくる。 笑顔でいられる人生を作って幸せになろうね。 さぁ、笑顔で気合を入れていきましょう♪ Isamaro♪ (^-^・)/~~ (2021年10月11日 07時24分27秒)
フィクションとノンフィクションが入り混じってきています!
奥が深くなってきましたね! (2021年10月11日 15時14分34秒)
ただのデブ0208さんへ
おはようございます! 【偉い相手に狙われましたね。】 まったくです! 堪ったもんじゃない! さあ~どうなる。さあ~どうする北小路。 (2021年10月13日 06時56分15秒)
5sayoriさんへ
おはようございます! 【しかしとんだとばっちりで・・・目をつけられたわけですね】 まったくです! ヒグマに出くわすなら、まだしも。 いつも思っているのですよ――一番怖いのは「人間」だと。 (2021年10月13日 06時59分17秒)
Huちゃんさんへ
おはようございます! いつも読んでいただき感謝です! 【フィクションとノンフィクションが入り混じってきています! 奥が深くなってきましたね! 】 小説は事実よりも奇なり、事実は小説よりも奇なり。 どうも私の趣向が出てしまいますよ。ご指摘のように「入り混じる」のですよ。それがこの小説の真の意図かも。 (2021年10月13日 07時06分19秒) |