カテゴリ:読書のココロ(エッセイ・その他)
40歳の挑戦。 品川ナンバーのスポーツカーで、「1月1回1人キャンプ」の目標を掲げ、 野外で過ごす作家の発見とタタカイの記録。 『週刊現代』に2年ほどに渡って連載された 作家・絲山の一人サバイバルの記録。 オフシーズンに黄色い外車(フィアット)の助手席に薪積んで 女ひとりでキャンピング。 キャンプ場の管理人さんに 「ぜったい死体埋めるか首吊るかと思われてるんだろうな」 と考えたりしながら、 キャンプ場、海辺、山の中、氷の上(デイキャンプ)、 ひとんちの庭、都会のど真ん中(講談社の中庭) などなど 様々な場所で繰り広げられる「絲的サバイバル」は なんともバカバカしくって、そのバカバカしさに脱帽です(笑) 最後の章で、絲山さんは述懐します。 ここでは下り坂のリヤカーでパニックにならなくてよかったと。 18メートルの滑る斜面を登らなくてよかったと。 夜中に恐ろしい音に囲まれなくてよかったと。 ステファニーなんて変な男友達がいなくてよかったと。 食べきれないほどの豚汁を作ってしまわなくてよかったと。 ましてや宇宙人がここを訪れることもないだろうし、新聞配達員を脅かす心配もない。 そう、絲山さんはこのエッセイを書くために テントと車の往復の手間を省くため、 大量の荷物をリヤカーに積んで設営地を目指したものの 道を間違え30分も山道をリヤカーしょって歩いたり、 ダム湖の湖畔でキャンプを張ろうとしたら 雨期前で水位が40%しかなく、 18メートルの崖を登って荷物をあげなければならなかったり、 御巣鷹山付近の山中で、 あきらかにヒトではないモノの気配を感じて キャンプどころではなくなったり、 たったひとりきりの一泊キャンプで ご飯3合も炊いた上に鍋一杯の豚汁を作ってしまったり、 前日まで風邪で臥せっていたにもかかわらず 真冬にお友達の庭先にテントを張ってみたり、と 文字通り身体を張ったサバイバル体験が綴られています。 それにしてもこの取材(というかキャンプ) すべて費用は自前ということで、 絲山さんのお住まいの群馬県近辺のキャンプ場がやたらと登場します。 水のうまさを力説します。 相変わらずの群馬愛をひしと感じつつ 微笑ましく思いながら読み進めていたのですが 最後から二番目の章で 群馬に土地を購入したことが明かされておりました もちろん購入した土地でキャンピング 愛の強さにつくづく感服いたしました。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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