カテゴリ:読書のココロ(エッセイ・その他)
【内容情報】(「BOOK」データベースより) 付き合うのは問題のある年上男(「問題のある男」)ばかり。 幽霊が見えるダンサーの母(「幽霊VS.母の話」)を反面教師に、 恋愛の相性が完璧な弟(「弟コンプレックス」)を可愛がってみたり、 引きこもる“ゲーマー”の彼と同棲(「オタク(?)の生態」)してみたり。 まともなのは島本さんだけなのか、それとも…? 『ナラタージュ』の切なさはどこに? 恋愛小説の名手・島本理生のリアルワールド。 まずは、 先の日記の心理テストの結果から。 最初に思い浮かんだ熟語は、その人の人生観を表し 次に思い浮かんだ熟語は、その人の恋愛観を表す のだそうだ あまりのピタリ度(特に後者)に私は固まってしまったのだが (あくまでも、私は、ですよ! 私は当たってたんです!) 島本さんのテスト結果は 一番目が 温故知新 二番目が 疲労困憊 で、この問題を出題した編集者たちに 「島本さんはまだ若いのに大丈夫だろうか」と心配されてしまったらしい。 * * * * あの切ない『ナラタージュ』や『波打ち際の蛍』の作者とは思えないような とほほで可笑しいエッセイ集。 ファッション誌『ViVi』に 2003~2006年まで連載されていた記事をまとめたもので この連載中に、彼女は 『ナラタージュ』を書き上げ、 『生まれる森』で芥川賞候補となり、 執筆が多忙になってきたため大学を辞め、 作家合コンで知り合った佐藤友哉さんと同棲、別居を経た後 ご結婚された。 確か「作家の読書歴」とかいう某新聞の連載記事に ご結婚されたばかりの頃の島本さんが登場されていて なぜこの若さで、しかも作家同士でご結婚? と私の頭の中は好奇心と疑問符でいっぱいだったのだけれど 本書を読んで、 「そうか。このかたは何でも早々に白黒つけないとイヤなヒトなんだな」 というのがわかった。 結構、島本作品を読んできている私としては とにかく、小説とのギャップに驚いた。 私のように小説から入ってエッセイを読んだ人も 『ViVi』の連載から入って小説を読んでみた人も きっと双方の読者が意外な作家の一面に驚くと思う。 「いつもなぜかダメ男にばかり惹かれる」というのは なんとなく作品に現れているのでわかるけれど (小学校三年生にして既に好きな男子にだまされている 笑) 保育園の頃、どうしても行きたくなくて 母親の運転する自転車の後ろの子供椅子から飛び降りて 足の爪をはがして血だらけになったり (その痛みより保育園に行かずに済む喜びの方が勝ったらしい) 二重瞼になりたくて悪戦苦闘したり (アイプチをした顔を小学生の弟にみられ、 「どうしたの?顔が変!」と暴言を吐かれたり) 高校生の頃、ダイエットが高じて 「海藻サンド」なる、いかにもアヤシげなサンドイッチに手を伸ばしたり (あまりのマズさに泣きながら初めて食べ物を捨てたそうだ) 回を重ねるごとに身を削ることに躊躇いがなくなっていく島本さんの様子が 小説とは別の意味で痛々しいというか、でも可笑しい(笑) 一人暮らしをはじめる際、 散々条件にこだわって探したわりには なぜかいつも友人たちに評判の悪い部屋、というのも 島本さんのプチ天然っぷりがうかがえて面白い。 自分ではとても気に入った部屋なのに 嵐の夜に泊まりにきた友人に 「この家もあんたも非常識なのよ!」 と怒鳴られるシーンは笑えたw それにしても、作家合コンの女性側の出席者が気になりました。 男性陣の名前は全部書いてあるんですが、女性陣は伏せてあるんです。 このときの参加者の一人である乙一さんの『小生物語』という本に 「全員の名前がさっくり書かれている」そうだから 今度、そこだけ読んでみようかしら(笑) この本、『ナラタージュ』のイメージを損ないたくないかたは 島本さんがお好きでも、読まずに避けて通ることをお薦め致しますw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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