カテゴリ:読書のココロ(エッセイ・その他)
この本は、エッセイなのか小説なのかと問われたら、 えっと、小説、なんですが・・・・・と小さく答える。 エッセイですよね、エッセイに決まっています、と強く言われたら、 そうかもしれません、と答えてしまうかもしれない。 と、著者本人が「あとがき」で書いているように エッセイなのか小説なのか、区別がつかない。 もしかしたら、そのどちらでもないかもしれない 日々のあわいを描いたエッセイ風ストーリー。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 「仮の家」に同居人と暮らす文筆業のシワス。 人工都市での日常の狭間で「思考の冒険」を楽しむうち、 奇妙なことが次々と…。 ささやかな妄想が人生を面白くする。 文筆をなりわいとするシワス。 とある事情で、イチ、サツキ、ナナと一緒に「仮の家」に暮らしている。 同居人と一緒に食事をし、映画のビデオを見、植物を育て、おしゃべりする。 そんな淡々とした日常の中でも、丁寧に生活することで見えてくる幸せの形。 「仮の家」にいるからこそわかる「家」のありようと、 蘇ってくる懐かしい「家」の記憶。 そんなある日、「仮の家」から引っ越す話が出てくる。 「新しい家」に決めるまでの煩悶、決めてからの逡巡、引越し前後の慌しさの中で、 人が生き、生活してゆくことについて思いを馳せるのであった。 ときどき起こる不思議な出来事 (散歩の途中に猫又もどきにであったり、 旅先から幽霊をつれてかえってしまったり…)、 シワスの暴走する妄想&空想も笑いを誘う。 内容は、もう、↑このとおりなので 私が追加して云々のべることはない(笑) あまりにもクセがなく、淡々としすぎていて 最初は正直、ちょっと読みづらかったのですが 中盤を過ぎて引越しが決まったあたりから 知らず知らずのうちに引き込まれていました。 歩いたり走ったり転んだり。 散歩したり旅したり火傷したり。 そんな、ほんとうになんでもない些細な事柄を 歌人の丁寧な視線が拾い上げ、紡いでゆきます。 ほんとうにとりとめのない、 なんということのないことばかりかいてあるのだけれど、 そうやってまわりのなんでもないことをえがくことによって 描かれていない芯の部分が ━生活や生きる中でたいせつなことが ━ ほんのりと浮かび上がってくるような、 そんな一冊でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.07.18 14:10:04
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