カテゴリ:読書のココロ(エッセイ・その他)
デビュー以来、常にトップミュージシャンとして走り続けてきた藤井フミヤ。 さまざまな時代と心に寄り添ってきた珠玉の詩の数々から30数編を厳選し編んだ、 初の個人詩集。 ( 楽天ブックス紹介文より ) 実は、藤井兄の詩は結構好きだったりします(爆) キャラとしての興味はほとんどないんですが (迷走ぶりを楽しむという意味での興味はあるけど) ライブと詩だけは好きなのです 詞ではなく、散文にリズムをつけただけのようなものが多い最近のハヤリウタの中、 (メロディすらなかったりするので、ワタクシはついていけません) 兄の詩は、きちんと詩としての形を為しているので、 このような「歌詞集」でも、一応詩集として成り立っています。 どこぞのアレンジャーさんのように、それっぽい言葉を適当にぶつ切りしたもの=詩だと勘違いしているひとが結構いますから 本書は 「誕生」「愛」「旅」「未来」など いくつかのテーマ別に編成されています。 ソロデビューアルバム「エンジェル」以降 人生や輪廻転生などが一貫した詩のテーマになっていて 色恋ごとはその一部、という位置づけになっているように感じます。 これが発売された頃は「このまま何処に飛んでいってしまうのか」と心配になったりもしましたが とはいえ、ライブでは結構エロエロ全開だったりもするのですが(笑) そのギャップもまた良し 歌として耳で聴くとなんとなく聞き流してしまうような詩でも 改めて目で読んでみると おお、こんな深いこと言ってたのか、なんてのも結構あるんですよ、これが!! * * * * * この部屋でもらった涙は すべてここに投げ捨ててゆこう この街で拾った笑顔は すべてここに刻んでゆこう So long さあ行こう So long (「紙飛行機」より) * * * Running myself 僕はゆく 手作りの舟に乗って 吹き付ける風をうけて 小さな帆を広げて (「風の時代」より) * * * たとえば無駄遣いの 買い物しよう 僕らは欲しい物を 本当は持ってない たとえば子供の頃 夢見た物 僕らは小さな手で 抱きしめられる (「下北以上 原宿未満」より) * * * 過去と未来のドア 鍵を開けて行こう 受け止められるさ 君のすべてなら Come on! It's Brand new love (「 Brand new love」より) * * * 会いたくて目を閉じたよ 何ひとつ変わらない君がいたからさ 手のひらの中に (「Snow Crystal」より) * * * 時計をなくした僕らは長い夜に迷い 思い出を月に話そう ひとつひとつ帰り道を照らす (「Moonlight magic」より) * * * * * 詩が巧いアーティストでも 結構、あっちの曲とこっちの曲で言ってることが180度違う、なんてこともある中で 全体的にロマンティックでポップな雰囲気を大事にしつつ、 ことさらに訴えるのではなく、 さりげなく一貫したテーマを投げかけ続けているのはさすがだと 本書を読んで、改めて思った。 ひとつだけ、言わせていただければ 最後の著者近影を もう1~2ヶ月前に撮影した写真にしてほしかったです あのヘアスタイルはなしでしょう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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