カテゴリ:読書のココロ(エッセイ・その他)
【内容情報】(「BOOK」データベースより) 人気歌人・穂村弘がスターバックスの謎に迫る。 【目次】 サイズは大で大でと叫ぶ/勇気が無くてまたショート・ラテ/ あの人がそそぐラテがくるのを/「こんにちは」対策/ 私よりよく生きているように思える/双葉って聞きまちがえて笑われた/ Gさんの話/無限をひとつしのびこませた/ 大学生ばかりのスタバで肩身狭い/ぬばたまの夜を飲み干し顔上げる〔ほか〕 月とスッポン。豚に真珠。 穂村弘とスターバックス。 ・・・ちょっと意味合いは違うけど(大分違う) 不似合いなものの喩えの慣用句として新たに登録したいくらい もののみごとに不釣り合いな両者である。 担当者がわざと「最もスタバが似合わない文筆家」として ほむほむに依頼したんじゃないか、と思ったほどだ。 いや、未だにスタバで トールだのグランデだの、熱めだのぬるめだの、 トッピングだのなんだのかんだのと 複雑怪奇なカスタマイズ(というのよね?)のオーダーが出来ず、 メニューに載っているシロモノが はたして珈琲なのかショコラなのか、 はたまたお茶系なのかデザート感覚のものなのかを 瞬時に理解できない私にそんなことを言われるなんぞ ほむほむもさぞや心外であろうが、 ほむほむの、あの脱力エッセイの虜になった読者のかたなら 必ずやこの「新慣用句」の提言には賛同を得られるものと確信する。 * * * * * * * スターバックスのクリスマス・エッセイを書きませんか、とお話があった時、 驚きました。 私でいいんですか?ほんとに? 大丈夫か、スターバックス。いや、私。 (中略) あのメニュー,あのカスタマイズ、あのフレンドリーさ、 あのエプロン、あのランプ、あの人魚、あの緑…、緊張します。 初めてスターバックスに入ったのがいつだったかは忘れたけど、 思いっきり肩に力が入った道場破りの気分でした。 たのもーう。むっ、トール?ショート? 何がトールサイズじゃ。 日本人なら,サムライなら、ちゃんとLサイズと、あ、ラージも英語か。 ( 本書より ) * * * * * * * ワタクシ,未だに『道場破り』の気分です。 ちょっとお茶するだけなのに、なぜそんなに緊張しなければならないのか、 と思うと だったらふつーにド◯ールか、もしくは喫茶店でいいや、となり、 いつまでたっても慣れないで今に至ってしまっています。 だって、お値段だって一般的な喫茶店と変わらないでしょ? だったら、ゆっくりくつろげる、落ち着いた喫茶店で 小洒落たカップで飲んだほうがいいや、と 尚のこと,思ってしまう訳です。 でもほむほむは、そんな異次元空間に果敢にも挑んでゆき いまではそこそこに慣れているご様子。 ・・・ま、まけた。。。 元々本書はスターバックスのウェブサイトで連載されていたもの。 読者のみなさんから寄せられた、 スタバでのワンシーンや一杯の珈琲に関する短歌を 歌人・穂村弘が選出・解説し、エッセイでまとめあげて 一ヶ月に一度更新していました。 毎回楽しみに読んでいたのだけれど 連載が終わって、がっかりしていたら本になってました 単行本化されたら,何かおまけがついているかな、と思ったら 番外編がちらっとだけ 短歌とスタバ? なんかそれも不釣り合いだなあと思う方。 いえいえ、そんなことはございません。 * * * * * * * 赤いランプ視線ずらして感じ取るあの人がそそぐラテが来るのを M(女・静岡県) 「視線ずらして感じ取る」の微妙さに切実な思いがあるのがわかります。 運ばれて来る「ラテ」が「あの人」そのものであるかのような緊張感。 実は今回、スタバの店舗で働いている方々からも短歌を募ったのですが、 そのなかにこんな作品がありました。 ぼんやりといつも空をながめてるぼくの作ったラテを片手に もんきち(男・静岡県) お客さんの中に気になる女の子がいるんでしょうね。 彼女は「ぼんやりといつも空をながめてる」。 実はこの「ぼくの作ったラテ」と先ほどの「あの人がそそぐラテ」は、 おんなじラテなのです。 ふたりは互いに想い合っている。 でも、どちらもそのことをまだ知らない。 いつ,どんな風にして,互いの気持ちに気付くんだろう。 なんて、勝手に妄想するとどきどきしてしまいます。 いや、でも、そういえば、ふたりは同じ静岡県・・・・・・・。 ( 本書より ) * * * * * * * ・・・ね? それにしても。 穂村弘とスターバックス。 どことなく 「内山田洋とクールファイブ」 に似てなくもない(全然違う) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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