テーマ:本のある暮らし(3190)
カテゴリ:読書のココロ(エッセイ・その他)
長田弘さんの「五月の海」という詩を読んだら 無性に海を見たくなったので、行ってきました。 * * * * * * * 海へ近づいてゆく道には、招かれるような感覚があって、先へ、 先へ、つい気もちを急がされる。 海へむかうと、最初に、空がとほうもなくひろがってくる。それ から風の匂いに微かに混じって、汐の匂いがする。 松の枝々が屈むように傾いて、そして、道端のそこここに細かな 砂がすこしずつ溜まってきて、足元がざらついてきたら、もう浜辺 はすぐその先だ。 林が切れて、小高ところにでると、いっぺんに海になる。 (中略) 空気が碧い。まだ夏の喧噪のない、人のすくない浜辺には、独特 の透き通った時間が流れている。 海はわたしたちに、目を上げて、水平線を見はるかすことをおしえる。 目を伏せることではなく。 ( 「五月の海」 長田弘『人生の特別な一瞬』より )
写真は、最後の一枚のみ、この詩で詠われている湘南の海ですが あとは全部、ウチから徒歩10分の瀬戸内の海。 太平洋を見慣れて育った私には 瀬戸内の凪いだ海は何だか物足りなくて こんなに近いのにも関わらず、ほとんど足を運ばないのですが(汗) 一年に何度かある、海の香りの強い夜の明くる朝には なんだか無性に、海を見たくなります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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