カテゴリ:読書のココロ(小説)
神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。 店を任され、調理場で腕を振るう澪は、 故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。 大阪と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。 しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・。 料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、 それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生! ( 楽天ブックス紹介文より ) 私が管理人をつとめさせていただいている某読書コミュの 「2009年一番面白かった本」というトピックで会員さまからご紹介いただいた一冊。 推薦いただいた方以外でも「おもしろかった」とおっしゃる方が多かったので 時代小説が苦手な私も興味が湧き、予約したのでした。 藤紫市図書館ではこの本は大人気で、半年待ってようやく読了。 いや、待った甲斐がありました ![]() 特別文章が巧いというわけではないけれど、とても読みやすい! 時代小説独特のメンドクサイ時代背景や 人物相関図などの細かい説明がないことが 時代小説苦手意識の強い私には嬉しかったし、 転んでも転んでもめげない主人公・澪の心意気には おもわず「頑張って!」と身を乗り出して声援を送ってしまいたくなる程(笑) 江戸の下町独特のべらんめえ口調や ほろりとさせられる周囲の人情もいいし、 店の主や一癖も二癖もある客、 嫌がらせを仕掛けて来る一流料亭の主、 近所の長屋のさばけたおかみさんたちなど 主人公以外の主要人物たちも魅力的だし、 澪が知恵を絞って評判を呼んだレシピの数々が 本書の最後に『澪の料理帖』として添えられているのもgood ![]() ネタバレになると感動が半減するので詳しくは書けないんですが みな、それぞれに 口には出せない過去を背負いながら それでもなにくそ!と踏ん張って明日を見つめて生きていく、、、 そんな登場人物たちが、今のこの時代を生きる人たちにぴったりで 人気がある作品というのがとても納得できる一冊でした。 食わず嫌いならぬ、読まず嫌いの激しい私。 自分一人では、決して手に取ることはなかったでしょう。 紹介して下さった方に、ココロから感謝です ![]() この作品、シリーズ物なんですよね。 続きを早速予約しました ![]()
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.07.06 21:33:05
コメント(0) | コメントを書く
[読書のココロ(小説)] カテゴリの最新記事
|
|