カテゴリ:読書のココロ(エッセイ・その他)
【内容情報】(「BOOK」データベースより) 甘くて、痛い。優しくて、こわい。心臓を直撃する愛のうた。 シンジケート/ごーふる/ドライドライアイス/蛸足配線/手紙魔まみ/ラヴ・ハイウェイ など、2003年までに出版された初期穂村作品のダイジェスト版。。 短歌が主だけれど、 散文あり、連作短歌詩あり。 好きな短歌をいくつかご紹介。 積乱と呼ばれし雲よ 錆色のくさり離してブランコに立つ 試合開始のコール忘れて審判は風の匂いにめをとじたまま 抜き取った指輪孔雀になげうって「お食べそいつがおまえの餌よ」 「許さない」と瞳(め)が笑ってるその前にゆれながら運ばれて来るゼリー 「芸をしない熊にもあげる」と手の甲に静かにのせられた角砂糖 査定0の車に乗って海へゆく誘拐犯と少女のように ( 「シンジケート」 より ) * * * あ かぶと虫まっぷたつ と思ったら飛びたっただけ 夏の真ん中 後ろ手に縛ったおまえの瞳(め)をみれば 潜水艦に満ちる音楽 ( 「ドライ ドライ アイス」 より ) * * * ウエディングドレス屋のショーウインドウにヘレン・ケラーの無数の指紋 妹のイニシャル入りのバファリンを噛み砕く、うウ、をレのよりキくッ ( 「蛸足配線」 より ) * * * その頃の私は今よりももっと馬鹿で、 「水に浮かんだ死体」のことを「大五郎」だと信じていた程でした。 本当は「土左衛門」というのです。 ( 「ごーふる」 より ) 最後のなんかはいかにも「ほむほむ」らしいけど(笑) 他の短歌などは、彼のエッセイしか読んでない人にとっては かなり新鮮なのでは? 彼の短歌は、斬新で、前衛的で、ロマンティックで、天然で、 よむたびに どきり、ぐさり、びくり、にやり、ふわり、ぐにゃり、とする。 日常を、アクロバット的視点で切り取ったうたの数々。 みなさまも、ほむほむのこの感性のシャワーを、ぜひ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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