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2005.05.22
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 製本が完了すると、いよいよ待ちに待った納本です。出来上がった本が数冊、担当編集者のもとに届きます。完成した本を手にするのは、 「やっとできたな ー 」 と嬉しい気持ちになると同時に、ホッとする瞬間でもあります。 それから、しばしパラパラと中を捲って、何か問題はないかどうかをチェックします。何もなければ、まずは一安心です。

 本が無事できたことを確認したら、出版契約書の作成にとりかかります (著者に執筆をお願いする際には仮契約書というものを交わすのですが、本が完成した際には、正式な契約書を取り交わします) 。 契約書には、契約に関わる細かな事項の他、著作権者名、出版権者名、発行年月日、印刷部数、印税率、献本部数などを記す欄があり、2通作って、1通を著者が、もう1通を出版社が保管します。 (出版契約書の作成を編集者自身が行うかどうかは、出版社によって様々だと思います。)

 次に、献本作業を始めましょう。もうすでに、この段階では宛名書きなどの準備は整っているでしょうから、 後は 「謹呈」 の短冊を本に挟み、献本の挨拶状とともに発送します。 広告・宣伝用に、また書評用にと様々なところに献本をすることになりますが、書評の掲載や口コミで広がることは下手な広告よりも効果が大きいことも多いですから、的確な献本を行うことが大切です。  

 著者が遠方に住んでいる場合には郵送という形になってしまいますが、比較的近隣に住んでいるようであれば、出来上がった本 (献本分) と契約書を持って直接伺います。出来上がった本を手にした著者の喜ぶ顔を見るのは何よりも嬉しい瞬間ですが、これから この本が無事売れるように営業部とともに頑張らなければなりませんから、気が引き締まる瞬間でもあります。

 こうした諸々の仕事を終えると、後はとにかく、少しでも多くの部数が売れるように販売に努めます。営業部が事前に立てた販売計画に沿って動き出すことはもちろんですが、編集者自らも (宣伝用のポップも作ったりして) 書店に足を運びます。 (この辺りは、各出版社によっていろいろと工夫があるかと思います。)

 また最近は、ネット書店の存在も無視できないほど大きくなり、そこへの情報提供も大切な仕事となってきました。そのため、本の内容や宣伝についての書き込みをオンラインで行ったり、カバー画像を送ったりなど、少しでも読者の目に触れる機会が多くなるようにと積極的に宣伝を行います。

 編集者は、本が完成した喜びに浸っている間もなく、もう次の本の校正や原稿割付の作業に取り掛かっていかなくてはなりません。そのため、すでに刊行してしまった本に対しては、知らず知らずのうちに無関心になってしまうことがあります。しかし、出した本の販売動向をきちんと把握して、それが良くも悪くも、その結果を検討することが次の企画にも繋がることになるのですから、 “出したから、もう編集者の仕事は終り” ではなく、むしろ刊行した後こそ大切だと思います。それは、著者との関係についても然りです。

 次回で、この 「編集者入門ミニ講座」 も最終回となります。






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Last updated  2005.06.12 13:46:16
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 Re:本が完成する(05/22)   オイちる♪ さん
編集者の方が書店に赴くこともあるのですね!
営業の方だけかと思ってました~。

入門編の次は一体・・・!?

ところでこの日記が記念すべき100件目のようで。
これからも更新を楽しみにしてます! (2005.05.23 00:14:51)

 100件目でしたね   Cafe Wien さん
オイちる♪さん こんにちは
次はどうしようかと、ただいま思案中です。でも、あまり気張らずにマイペースで展開できるものがよいと思っているので、どうなることやら。
しばらくは、日々の更新に勤しみたいと思います。 (2005.05.24 00:10:07)


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