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2007.10.17
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 編集者がアイディアを企画という形にまでもっていく過程において、最も と言ってよいくらいに悩むことは、 「このテーマに関心をもつ人たちがいったいどのくらいいるか?」  ということではないかと思います。 私も もちろんそうですが、 編集者たちは皆、 「企画の段階から正確な読者数が把握できたら、どんなにすばらしいだろう」  と思っているのではないかと思います。 

 改めて言うまでもないことですが、読者数を予想することは とても難しいことです。 しかしそれでも、編集者はできる限りの情報 (声) を集めて、どのくらいの読者 (販売部数) が見込めるかの予想を立てることが大切な作業となります。 

 なぜなら、編集者の単なる自己満足や思い込みだけで企画したものは (こうした企画が安易に企画会議を通ってしまうのもまずいと思いますが) 、 読者不在の本になってしまう可能性が高く、執筆をお願いした著者の方にも申し訳ないですし、結果的に会社は在庫の山を抱えることになってしまいます。

 一般的には、編集者の単なる自己満足にすぎないと思われる企画は、企画会議でボツになってしまいます。 「この本は絶対に売れます!」 と、担当編集者が自信を持って言えることはとても大切なことなのですが、 「潜在読者はどのくらい?」 と質問されて、 「それは全くわかりません」 ではまずいわけです。 

 正確な読者数が掴めないことは皆わかっているのですから、それを踏まえた上で、例えば、
  ・ こういうテーマに関心を持っている人が多い
  ・ この作家のファンは多い
  ・ これを勉強している人、これから学ぼうとしている人が増えている
等々、わかる範囲で できる限り読者数を掴むように努めることが大切です。

 自分が企画を考えているテーマや著者について、読者の関心の高さを知る方法としては、
  ・ 自分が考えているテーマと類似する、他社の本のこれまでの売行きをみる
  ・ その著者の既刊本の売行きをみる (既に作品がある場合)
というものがあります。

 これらはとても安易な方法 (安易なのですが、結構重要です) なので、 あくまでも、 ざっと読者数を測るための物差しの一つにすぎません。 現実には、時代や流行の変化、そして読者の嗜好は変わりやすいという要素もあって、なかなか難しいものがあります。

 読者の嗜好の変化というのは、あなた自身を考えて頂いてもわかると思います。つい この間まで○○のテーマや作家に関心があって何冊も買って読んでいたのに、 いつしかその関心も薄れて、いまは全く違ったテーマや作家に夢中で ・・・ といった感じでしょうか。 あるいは、 関心が薄れたわけではないけれど、別の作家の作品を読んでみたいと思うようになったり、などなど。

 一般に読者は、あっちのテーマ (著者) へフラフラ、こっちのテーマ (著者) へフラフラと常に嗜好が変化して流動しているので、 「固定層として確実に このくらいの読者がいる」 ということが掴みにくいということもあります。

 「まだ無名の著者を発掘して、ヒットを出したい!」、 「類書のないテーマだからこそ、自分が一番に手掛けたい!」 といった編集者の夢と熱意とは裏腹に、こうしたものほど、読者数を予想することがいかに難しいかということが、少しわかって頂けたのではないかと思います。






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Last updated  2007.10.18 00:34:34
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