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2010.11.14
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カテゴリ:Editor's Life


 日々の仕事の中で常々感じていることは、書籍の編集者は、各自が持っている知識や情報を互いにもっと共有・活用することが大切ではないか、ということです。 

 書籍の編集者は、企画の段階から本を完成させるまでの間、基本的には自分でコツコツと作業を進めていくことが一般的であるため、何か困ったことやトラブルが起こったりした場合を除けば、周囲の編集者と話し合いをしながら進めていくということはあまりありません。 

 そうした中で、以前、こんなことがありました。編集者Aさんが、自分にとって (また会社にとって)初めて執筆をお願いする著者による企画を出し、それを企画会議で検討し始めたときのこと。
  「この方とは以前から知り合いなのでよく知っていますが、この方向性は向いていないのでは」 
との編集者Bさんの意見。 企画書を書いたAさんは、初めての著者ということで、その方が過去に書いた作品を読んだり、いろいろと下調べをしていたのですが、一番身近なところに、その著者のことをよく知る人がいたわけです。

 もちろんAさんは事前に、自分が今考えている企画のことや著者候補として考えている方について、上司や先輩の編集者に相談していたらしいのですが、 そこにはBさんは含まれていなかったため、 企画会議で初めて知ることに・・・。 結果的には、執筆を依頼する前の企画会議の段階でわかったので、 企画の練り直しなどはできてよかったわけですが、 もし、 Bさんが持っている情報を事前に共有できていたなら、 Aさんの企画も、 それを踏まえたものになっていたのではないかと思います。

 現在、ナレッジマネジメントを重視する企業が増え、組織として、その仕組みが非常にシステム化された所もあるようですが、それには及ばないまでも、各編集者の持つ知識や情報の蓄積・共有・活用がもっとできないものかと考えています。 (最終的には、営業部なども含めた、社内全体として。)

 もちろん、(これは編集者に限ったことではありませんが) 編集者はそれぞれ、自分の中で密かに温めているアイディアや掴んでいる情報、独自の人脈などを持っていて、それらの情報をすべて共有するということは簡単ではない (共有化することに抵抗を感じる編集者もいるかもしれない) と思うのですが、 編集部として、 そして出版社という一組織として より良い出版物を刊行していくためには、大切なことの一つではないかと思っています。  






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Last updated  2010.11.15 01:52:05
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