圧巻の書斎! 鈴木信太郎記念館 part1
先々週、新大塚駅近くにある「鈴木信太郎記念館」に行ってきました「港区郷土歴史館」のことをネットで調べてるおり、たまたま見つけた記念館です。 鈴木信太郎記念館昭和3年に建築された鉄筋コンクリート造の書斎棟、戦後の昭和21年に建築された茶の間・ホール棟、明治20年代に埼玉県北葛飾郡富多村下吉妻(現在の春日部市)に建築された信太郎の実家の母屋を昭和23年に移築した座敷棟という、建築年代の異なる貴重な建造物が同一敷地内に所在することから、旧鈴木家住宅として、区の有形文化財(建造物)に指定しました。2018年に開館(豊島区HPより)手前が明治時代の母屋、真ん中が戦後建てられたお茶の間棟、そして一番右が昭和初期に建てられた書斎棟です。それぞれ違う年代&様式の建物が連なっており、なんとも不思議な趣き~ ↑1928年(昭和3年)築の書斎棟は耐火構造の鉄筋コンクリート造り。設計は当時最新素材であった鉄筋コンクリートに詳しい大塚泰。書斎入り口には鉄製の防火扉、窓には防火戸と防火シャッターが設置されてます。↓鈴木氏は船火事によってフランス留学中に集めた稀覯本を焼失した経験から、防災には万全を期したんだとか。そのかいあって、1931年の空襲で母屋は全焼、書斎棟も2階が焼失したものの、書斎1階は戦火に耐えて蔵書は無事だったそうです。さぞかし安堵されたでしょうね~。↓鈴木信太郎氏の写真。鈴木信太郎20世紀前半の日本のフランス文学研究黎明期に、ステファヌ・マラルメなどの象徴派の詩人や、ヴィヨンを中心とする中世文学を研究したフランス文学者。また、フランス文学関係の稀覯本蒐集家としても知られている(豊島区HPより)実は鈴木信太郎さんのことは全く存じ上げませんでした名前の響きにはウッスラと覚えがあったので、画家さんだっけな?と思いきや・・・そっちは洋画家の「鈴木信太郎」(同姓同名)以前、お茶したことのある学芸大学駅前の洋菓子店「マッターホーン」の包装紙が鈴木さんのイラストでした。物覚えの悪い私だけど、頭の片隅に名前が残っていたようです(^m^) コチラの鈴木信太郎さんは「日本におけるフランス語学・文学の研究を確立し、研究者及び教育者として活躍されたフランス文学者」です。フランス文学といわれても、私の頭に浮かぶのはカミュやサガンくらいかな~(;^^)あとは学生時代に読みふけったマルキ・ド・サド とかwwウィキによるとボードレール『悪の華』の訳も鈴木信太郎さんだそうですが、そちらも読んだことありません(お恥ずかしい(/ω\))(ちなみにプルースト『失われた時を求めて』訳はご子息の鈴木道彦さん。こちらも未読) 重厚な造りの書斎に一歩はいっただけで、見事な本棚と書物の多さに圧倒されました。おそらく書架に並ぶ蔵書は、仏文に詳しいかたにとってはお宝ばかりなのでは?仏文に疎い私には「豚に真珠」(笑)ですが・・・本好きにとっては心躍る空間~✨東洋文庫ミュージアムのモリソン文庫に勝るとも劣らない素晴らしさに感銘を受けました(〃▽〃)↑腰高窓の上のステンドグラスも素敵なんと、図案は鈴木氏ご本人のものだそうですこの日は雨模様だったせいか、うまく撮影できず残念~ ↑書斎北側の廊下には書籍や資料の他に大工道具(空襲罹災時以来、鈴木家の補修に役立ち、この書斎の棚が定位置だったそうです)もディスプレイも2台設置され、建築関連やフランス文学や鈴木信太郎氏の交友関係などの映像も視聴可能でした。以上、書斎棟だけでも見ごたえ充分でしたが、座敷棟もこれまた見事~というわけでpart2に続きます<(_ _)>【中古】 悪の華 岩波文庫/シャルル・ボードレール(著者),鈴木信太郎(著者) 【中古】afb【中古】 マラルメ詩集 岩波文庫/鈴木信太郎【訳】 【中古】afb【中古】 ふらんすデカメロン(上) ちくま文庫/鈴木信太郎(訳者),渡辺一夫(訳者),神沢栄三(訳者) 【中古】afb