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Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年02月05日
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カテゴリ:霊魂論
内的霊的衝動の写しとしての美術史
 第1講 ドルナハ  1916年11月8日-3
第3講  中欧ー北方の芸術衝動を理解するための基礎
     中欧ー北方の芸術と南方の芸術の対立と関係
デューラー及びホルバインに至るドイツの彫刻と絵画
 芸術的進化というのは本来持続的に起こるのではなく、多かれ少なかれぶつかりながら起こることがわかります。それ故いつもこういう感情が持たれます、ぶつかり合う進化ではなく、持続的な進化が起こるとすれば、いったいどのようになっただろうと。たとえばこのような感情を持つかもしれません、もし仮に北方で直線的に、もちろん仮説は意味がありませんが、こういう感情を持つことはできるでしょう、つまり、カロリング時代 751年にメロヴィング朝を倒したカロリング朝はカール大帝時代に最盛期を迎える)やオットー帝(10世紀末からドイツに君臨したザクセン家の皇帝)時代に、細密画や、書物の表紙を飾る象牙細工のなかに最初含まれていたものが仮に北方で直線的に偉大な芸術へと発展することができたとしたらどうなっていただろう。けれども、ローマ的要素としてキリスト教の波に乗ってもたらされたものすべてが、今やそこに流れ込んでいきます。そしてこのローマ的要素が、建築のなかに、彫刻のなかに、私がお話ししましたまさにあの衝動、南方的なフォルム衝動をもたらすのです。ここで、北方的な動きへの衝動の表現衝動と、南方的なフォルム衝動の色彩衝動との結婚がなされます、ただし色彩衝動といっても、私が特徴づけましたような、つまり色彩は、個人的な表現の開示(Offenbarung)ではなく、自然に即した霊的(精神的)表現であるものの開示であるという色彩衝動でという意味にです。けれどもさらに別のものがこれに結びついています。ローマ的衝動が入り込み、ローヌ河およびライン河の支流に貫かれるすべての地域に広がっていく最初の北方的衝動は、オットー帝時代が過ぎ去るとともに途絶えると言うことができます。とりわけこのなかへと、けれどもさらにこれを超えて広がっていくのですが、ローマ的衝動が広がり、両衝動の完全な合体が達成、まずは成長すると言いましょう。これは十二、十三世紀頃までに頂点に達し、そこで別の衝動、このとき入ってくるのですけれどもすでにそこで準備されていた衝動が、西から姿を現します。本来南方の衝動である観照の衝動が、中部ヨーロッパ的ーローマ的芸術のなかで、運動の衝動、つまり根本的に意志の要素から発すると私が特徴づけましたようなあの運動衝動と結びつくと言うことができます。この時代、西では別のものが準備されていました、これはその後発展し、私がたった今、ローヌ河、ライン河流域の峡谷に広がっていくと特徴づけましたものに、十二、十三世紀から完全に浸透されるようになります。このとき西方で準備されるものもまた、それ自身二つの衝動の合流しているものです。そしてこの二つの衝動の合流が、崇高なゴシックのフォルムのなかに具現されています。今やここでまた実際に二つの衝動が合流するのです、もともと北方からもたらされたひとつの衝動、生の実践、理知、賢明さ、生の写実主義(レアリスムス)とでも申し上げたいものを内包する衝動、これは文化的にノルマン人たちがヨーロッパへと運び来る波に乗ってヨーロッパに到来します。これに、スペインとりわけ南フランスから作用するものが結びつきます。北方から到来するのは、知的なもの、実践的なもの、写実的なもの、写実的なものといっても、後の時代の写実的なものと混同してはいけませんが、まったくもってなおも世界知(Weltverstand)に由来し、地上的なものを天的なものとの連関のなかで考えようとする写実的なものが南方から、南フランスではよりいわば凝集されて、神秘的な要素、つまり地上的なものから天を希求する神秘的な要素と呼びうるものがやってくるのです。この二つの要素、この両者が合体して成長します。そしてゴシック的なものの独自性とは、まさに、この二つの要素、神秘的な要素と理知的な要素が合体して成長するということなのです。ゴシック様式(die Gotik)のなかに神秘的な要素を見出すことのできないひとはゴシック様式を理解できません、一方では南フランスに凝集されたかのように現れ、九、十、十一世紀にとりわけ発達し、ゴシック様式のなかに下方から上方へと秘密に満ちて希求するものをもたらしていく神秘的要素をです。けれどもここでゴシック的なものには別の要素がむすびついています。手工業的知性、合理性といったものが流れ込んでいるのです。ゴシックのフォルムが希求するしかた、これは何か神秘的なものを持っていますが、それらのフォルムが組み合わされ、つながれ結びつけられるしかた、それは、神秘的なものにきわめて手工業的なものを結びつけると申し上げたいのです。ゴシック様式においては、独特のしかたで、一方の面が他の面に結びついています。そしてこのゴシックに流れ込んだもの、これがその後十二、十三世紀にとりわけ西方から流れ込み、中部ヨーロッパの芸術創造をも浸透していくのです。この場合に常にはっきりと理解しておかなければならないのは、たしかに文化の経過につれて、これらの出来事が相互に織りなされ、重なり合い、すべてが広がっていこうとするわけですから。その結果ローマ的なフォルム付与のなかに、ゴシック的なものに由来する作品が混ざり込む傾向があるということ、しかしこれもひとつの傾向にすぎません。

参照画:カール大帝・オットー帝・メロヴィングメ帝




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最終更新日  2024年02月05日 06時10分06秒
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