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Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年08月05日
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カテゴリ:霊魂論


ルドルフ・シュタイナー
「精神科学と医学」(GA312) 第一講(本文・解説付) 第7回
第1講・第7回
 この講演内容は、通常の書物などでは述べられていないものではあるけれども、其の前提とされているのは、その逆に通常見い出せるものであるということができます。人間の骨格とゴリラの骨格を比較してみると、ゴリラの下顎組織全体が特に大きく発達していて、その下顎組織は頭骨全体のなかで負荷をかけられ、その骨格全体が前に突き出しているということです。そうしたことから、人間に比べてゴリラは、そうした下顎の負荷に逆らっては直立し難い姿勢になっているということがわかります。参照図は、ゴリラの頭骨と人間の頭骨を横から見た形で比較したものです。ゴリラの場合は、下顎全体が前に迫り出しています。ご理解いただけるでしょうが、私はこのたびの回数のかぎられた講演において、主として皆さんが通常書物や講演では見出せないことをお話しております。けれども、その前提としておりますのはまさに通常見出せるものなのです。皆さんにも通常お馴染みであるような理論を私が並べ立てることはさして価値があるとも思えません。ですからここで、人間の骨格と、いわゆる高等なサルであるゴリラの骨格を思い浮かべていただいて見てとれることを単純に比較すれば明らかになることを参照していただきます。両者の骨格を純粋に外的に比較してみると、本質的なこととして、ゴリラの場合にはもっぱら下顎組織全体が特に大きく発達していることに気づかれるでしょう。この下顎組織はいわば頭骨全体の中で負荷としてあり、それでゴリラの頭部をその大きな下顎とともに見ると、この下顎組織は何らかの方法で負荷をかけられており、骨格全体が前に突き出ている、そしてゴリラは、言うなれば、とりわけ下顎で働いているこの負荷に逆らって、幾分苦労して直立していると感じられます。手の部分を伴う前膊部、つまり肩口から手口までの腕のうちの、肘から手口までの腕の部分の骨格に関しては、人間とゴリラは同じような負荷システムを持っいて、両者ともに重力的に作用しますが、ゴリラのそれは人間のそれに対してかさばっているということができます。このことは、足および下肢の骨格に関しても見出すことができます。ここにも、ある特定の方向に圧力をかける負荷的なものがあるといえます。ここにも「図」がありますが、これは少し説明しにくいものですが、簡単にご説明しますと、ゴリラの下顎が人間のそれに比べて、下向きのベクトルの働きを受けているというものです。人間の場合は、上向きの力と水平方向の力として働くものが、ゴリラの場合は、上向きの力と水平よりは下向きの力として働いているということです。つまり、ゴリラの場合、顎を突き出して前向きの姿勢で手を下にだらんと垂らし、足もまっすぐではなく、前傾姿勢になっているということです。手の部分を伴う前膊部の骨格に目を向けると、ゴリラと同じ負荷システムを人間の骨格にも見出すことができます。これらは重力的に作用しますが、ゴリラの場合はすべてがかさばっているのに対し、人間の場合はすべてが精密繊細に分化されています。人間の場合は量が目立たないのです。下顎組織と、指の組織をともなう前膊組織というまさにこの部分において、人間においては量的なものが目立たず、ゴリラの場合には量的なものが目立つのです。こういう関係に対して観察眼を鋭くした人は、足および下肢の骨格にも同様のものを追求できます。ここにも、ある特定の方向に圧力をかけるいわば負荷的なものがあるのです。これらの力、これらは下顎組織、腕の組織、脚および足の組織に見出せるのですが、これをこういう線によって図式的に描いてみたいと思います。ゴリラに比べて、人間の場合、下顎が後退していて、腕や指の骨格が精密に形成されているということは、「上昇しようとする力」を持っているということができます。ゴリラでは、負荷によって下降する力が優勢なのに対して、人間では、「上昇しようとする力」があるということなのです。ここで「一種の力の平行四辺形」ということが言われているのは、下降する力のベクトルに対して、上昇しようとする力のベクトルが合わさって、いわば「合力」として、平行四辺形で描かれる力となるということです。「図」に関していえば、その下降する力のベクトルと上昇しようとする力のベクトルが合力として平行四辺形を形成しているということが表現されています。ゴリラの骨格と人間の骨格を純粋に観察することから差異として現れてくること、すなわち、人間においては下顎は後退していてもはや負荷がかかっておらず、腕および指の骨格は精密に形成されていることに着目していただければ、人間の場合は至る所で上昇しようとする力がこれらの力に対抗していると言わざるをえないでしょう。人間においては一種の力の平行四辺形から形成されるものを設定しなければならないのです。これはこの上に向かう力から生じるもので、この力をゴリラは外的にのみ習得していて、それはゴリラが直立し、直立しようとする努力のなかに見出せます。こうして次のような線で描かれた平行四辺形が得られます。今日では、高等動物の骨や筋肉を比較するということはするものの、こうした形態の変化ということについては、あまり注意を払いません。しかし、まさに本質的なことというのは、そうした形態の変化なのです。ゴリラの場合のような形態の形成する力に逆らって、上昇する力として作用する力があるということに注目しなければならないということです。きわめて奇妙なことは、今日私たちは通常、高等動物の骨あるいは筋肉を人間のそれと比較することに限定していて、その際、これらの形態の変化には重点を置かないということです。本質的で重要なことは、こういう形態の変化を見るということの中に求められねばなりません。ごらんのように、ゴリラにおいてその形態を形成している力、この力に逆らって作用するような力が存在せねばならないからです。実際こういう力が存在せねばならず、こういう力が働いていなければならないのです。 こうした種類の力に注目することで、ヒポクラテス的な体系によって切り捨てられてきたものを再び見出すことが可能になります。力の平行四辺形ということに注目するならば、地球外的な力を起源とする力の合力に注目しなければならないのです。人間の直立二足歩行をもたらしたのは、そうした地球外的な力の作用であり、しかもそうした直立姿勢をもたらしただけではなく、その作用する力は同時に形成力でもあるのだといえます。私たちがこういう力を探すとすれば、古代の医学がヒポクラテス的な体系によって濾過された際に捨て去られたものを再び見出すことになるでしょう。さらに、こういう力は地上的自然の力の平行四辺形の中にあって、力の平行四辺形の中で地上的な力と合成され、その結果今や地上的な力を起源とせず、地上を越えた、地球外的な力を起源とする合力が成立することがわかるでしょう。こういう力を私たちは地上的なものの外に求めなければなりません。私たちは人間に直立姿勢をもたらした牽引力を求めなければなりませんが、この牽引力は単に、高等動物にも時おり見られるような直立姿勢をもたらすのみではなく、直立姿勢の中で作用している力が同時に形成力でもあるようなありかたで直立姿勢をもたらすものなのです。 サルの場合も直立歩行しないわけではありませんが、人間の場合は、下降する力に逆らって働く力が強く、地球外的な起源をもつ力の方向を強くもっているというところに、その相違点があるのです。人間の骨格構造におけるダイナミズムということを見ていくならば、そこには、そうした地球外的な力が働き、そこに、下降する力との間に、合力としての平行四辺形がでてくるということが重要です。サルは直立歩行しますが、量的にそれに逆らって働く力を有しているかどうか、あるいは人間はその骨組織の形成が地上的でない起源を持つ力の方向に作用しているかどうか、これが相違点なのです。人間の骨格の形を正しく見れば、個々の骨を記述して動物の骨と比較することに限定されることはありません。人間の骨格構造におけるダイナミズムを追求すれば、地球の他の領域にこれを見出すことはできない、私たちがここで出会う力は、他の力と合わせて力の平行四辺形を作らねばならないそういう力なのだ、と言うことができるのです。動物から人間へと向かうそうした飛躍を見ていくことで、病気の本質に関する考察が可能になります。この講義が進むうちに、そうしたことが数多く発見されていくことになります。私たちが単に人間の外部にある力に注目しているだけでは発見できない合力が成立しているのです。ですから動物から人間へのこの飛躍を一度きちんと追求してみることが重要となるでしょう。そうすれば単に人間のみならず動物の場合にも、病気の本質の起源を見出すことができるでしょう。私は皆さんにこういう要素を少しずつしか指摘できませんが、さらに進むうちに、これらから非常に多くのことを発見できるでしょう。
記:人間とゴリラの主な違い
 人間とゴリラの骨格にはいくつかの違いがあります。まず、人間は二足歩行をするために、直立した体形を持ち、脊椎はS字カーブを描いています。一方、ゴリラは四足歩行もできるため、骨格はよりがっしりしていて、肩や腕が発達しています。また、頭蓋骨の形状も異なり、人間は額が平らで脳が大きいのに対し、ゴリラは上顎が突出していて、顎が強い作りになっています。骨格以外に、人間とゴリラの重要な違いの1つは、人間は話すことができますが、ゴリラは話すことができないということです。 これは、喉頭またはボイスボックスの位置が高すぎて話せないためです。これにより、彼らの筋肉や声帯が単語を形成するために必要な可動域を持つことができなくなります。
参考画:ゴリラの下顎



   第1講・第7回了

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最終更新日  2024年08月05日 06時10分08秒
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