仙石原の隠れビッツェリア
妹と一緒に、一時帰国をしている3歳のめい(妹の娘)を連れて、箱根へドライブに行きました。 多少肌寒いとはいえ、そろそろ行楽の季節。湿生花園には、一足早く水芭蕉も咲いていました。 めいが昼寝をしたすきを見計らって、ポーラ美術館も訪問。初めてでしたが、いやすごいコレクション。ピカソから印象派から、日本人の好きそうな画家の絵がわんさか!ありました。 絵に関してはまったくの素人ですが、好き嫌いは別にして、ピカソってやっぱり凄い、と実感。あれだけ画風ががらりがらりと変わるひとはいないような。作曲家であんなひとはいるでしょうか。ストラヴィンスキー?ちょっとスケールが違うようです・・・ 昼食は、ガイドブックで見つけたピッツェリアでとりました。 これが穴場で。躍り上がってしまったのです。 仙石原のメインストリートから、わき道に入り、狭い道を上ります。だんだん寂しくなり、本当にこんなところに?と思い始めたころ、ぽっつりと一軒家を見つけました。 イタリアの田舎屋風で、何となくいい感じ。ボローニャあたりの郊外にありそうな、小さなレストラン、といった風情。 なかへ入ると、これがまた、イタリア風。天井には太い梁が走り、テーブルは木製のがっしりしたもの。 オープンキッチンの奥には、ピッツァを焼く大窯があり、炭がかんかんと燃えています。 その前でピザ職人(といったらいいのでしょうか)が、生地を薄く伸ばし、一枚一枚窯に入れている。 見るからに、美味しそうなのです。 メニューにはピッツァだけ。あとはサラダと、前菜の類のみ。潔い。 果たして、当たり、でした。 焼きたてのピッツァは、具の味もはっきりと、シンプルそのもの。新鮮な野菜のサラダも、野菜自体に味があり、すこぶる美味なのでした。 鄙にはまれな、という表現はおかしいかも。舌の肥えた箱根の別荘族にはぴったりなのかもしれません。だって、平日なのに超満員でしたから。 お店のひとにきいたら、家具から窯から、イタリアから輸入したり、あるいは専門の職人さんに造ってもらっているそうです。 BGMがないのも気に入りました。そう、ヨーロッパのレストランは、お客さんの話し声がBGMなのです。 名前も潔く「solo pizza。」(=ピッツァオンリー,の意味)。まだ冬景色の残る箱根が、一瞬色づいて見えたのでした。