「芯」のない人気と世襲の恐ろしさ
昨日の安倍総理の突然の辞任劇。 やはり、テレビから目が離せない。 長々とやっているという点ではNHKが便利だが、政治記者や政治家がコメントする民放の番組の方が、番組としては面白い。 難点は、せっかくの議論がCMで中断されること。 イライラしていたら、今朝のテレビ朝日の「スーパーモーニング」では、少なくとも討論の間はCMをはさまなかった。立派!でも本当はこうだよね。 さて、個人的な意見を言わせてもらえば、安倍さんはやっぱりひ弱かったんだなあ、という印象が残った。 ふだんの威勢のいい物言いも、虚勢といえば虚勢だったのかもしれない(弱い犬ほどよくほえる、といいますし)。 安倍さんの政治的信条にはもともと賛同できないが、それ以前の問題、という気もする。 テレビであるジャーナリストが言っていた。「お父さんの反対意見をいうのが安倍さん。だから岸さんと同じ意見になる」 本当にそうなら、彼に期待した多くの保守派の論客たちは、それをわかっていたのだろうか? もうひとつ感じたのは、「芯のない人気というものは長続きしないものだ」ということ。 あのスタート時の高人気は何だったのか、本当に不思議だけれど、結局もらいものの人気であり(小泉さんからの)、本人にガンとして譲れないものがあってのことではなかったから、国民にも何がやりたいかみえにくく、折角の人気も蜃気楼のように霧散してしまった。 「人気」をいかに保てるかというのは、どの分野にも共通の課題だと思うけれど、音楽でも思い当たる演奏家が何人もいる。 政治の世界だと、芸術のようにピュアではいられないだろうが、政策にしろ、是が非でも生き残るというしたたかさにしろ、「芯」がなければならないのは確実なのだなあ、と思いなおした。 そもそも2世3世ばかりが政治家になる、今の風潮がおかしいのだ。 みんな自分のことばかり考えて、何か思想的なことを考え抜くとか、実際的なバトルを経験するとかの経験がないから、他人(国民)のことが分からない。 私の知人の元大学教授いわく、「会社だって、今じゃ経営者の側が、2世だってまずいと思うのがふつう。3世なんてとんでもない。遅れているのは政治の世界だけ」。 「政治家が劣化した」と嘆いている政界のご意見番の先生の方々。この際、「政治家世襲禁止法」をぜひ検討していただきたい、のであります。