不思議なBGM
そろそろパーティシーズン。ふだんはあまり縁のない身だが、昨日とつぜん、業界の知人経由で「フランス商工会議所」主催の「ガラ・パーティ」への案内が舞い込んだ。 毎年開催され、企業人を中心に出席者が1000人くらいにのぼる豪華なパーティだという。 今年はとくに、来年、パリのオペラ座が来日するので、その前宣伝もかね、東京シティフィルの伴奏で、歌手が2人歌うのが例年にないことだとか。 予定の人員にキャンセルが出たとかで、私にお声がかかったのだが、その理由は「取材をかねて」ということだった。 どこに書く?のは後回し、こんな機会はめったにないので、いそいそと出かけることにした。エスコートもいず、着るものも適当だったのだが。こういうときは、海外でのオペラ鑑賞用にアメリカのショッピングモールで買っておいた、安いロングスカートが役に立つ。 会場になったホテルの宴会場は、果たして着飾ったひとたちでいっぱい。和服もドレスもたくさん!で、目の保養をさせてもらった。私のテーブルには、かの黒田知永子さんと知花くららさんがいて、両隣の男性陣はノックアウトされておりました。 料理はあのアラン・デュカスがプロデュース、加えてパリ旅行やらシトロエンやら、盛りだくさんのくじ引きも。残念ながら何ひとつ当たらなかったけれど、まあこれ以上贅沢を言ったらばちが当たるというものでしょう。 だって肝心の演奏は、今をときめくソプラノのひとり、アニック・マッシスと、初めてきいたテノールながらなかなかの美声で魅了された、ディミトリ・ピタスだったのだから。 2人の伴奏は、矢崎彦太郎さん指揮のシティ・フィル。「ルチア」や「ファウスト」や「椿姫」の名曲を、たっぷり聴かせてくれ、それは贅沢な時間だったのだった。 ただ不思議?なのは、マッシスもピタスも、来日公演には参加しないんですよね。演目ももちろんまったく違うし。 ところでパーティの前、ホテルのなかの美容院にかけこんで、ふだんのぼさぼさ頭を何とかしてもらっていた時。 左右の耳に、違う音楽が飛び込んできた。 一方はモーツァルト、一方はJPOP。どちらも譲り合うことなく、えんえんと続いている。 「BGM,ふたつあるんですか?」 たまりかねてきいてみた。 若い美容師さん、照れたように苦笑して、 「クラシックはホテルのなかに流れているBGMで、JPOPは(美容院の)店内で流しているんです」。 どっちかにして欲しい、と思うのは私だけ? 写真は、マッシス&ピタスとのツーショットならぬフォーショット、です。