教会の音響条件の難しさ
今日も昨日に引き続き、ヘンゲルブロック指揮のコンサート。2日続けて聴けるなんて、すごい幸せ!であります。 プログラムはバッハ中心で、カンタータとモテットに、ラインケンやライヒェの器楽曲をはさんだもの。バッハ時代のライプツィヒで有名ラッパ吹きだったライヒェは、たぶんバッハファンには知られている存在だが、上演される機会は少ないので興味深かった。「塔の音楽」と題された曲集からで、つまりは時刻を告げる音楽から始まった当時のブラスバンド。 ところで今日は初日と同じケーテンの教会に戻ったのだが、出だしを聴いてびっくり。音が遠いのだ。そういえばここは演奏場所の祭壇前のスペースがちょっと外側に出っ張っていて、内側から見ると浅い洞窟のような構造になっている。まあ教会ではこれが普通なのだが・・・昨日のハレの教会は、例外的に祭壇が中央の身廊にあるので、客席のすぐまん前で演奏しているような按配になり、音響的にはとても具合がよかったのである。 だが、やはりというべきだろうか、たぶんそのことを考えて、ヘンゲルブロックはカンタータの編成を変えていた。昨日今日と2日続けて、バッハのカンタータの第4番が演奏されたのだが、昨日はアリアや二重唱の部分をパート全体(といっても3人だが。ぴしりとそろっていた)で担当していたのだが、今日はちゃんとアリアはソロ、二重唱は2人という編成で、パートのなかから独唱者が出て、それもオケの前に出てきて歌っていた。昨日はそのままオケの後方で歌っていたのだが・・・たぶん前に出ないと、この教会では聴こえないのではないだろうか。 教会なんて、もともと音楽ホールとして作られたわけじゃないから、実際に演奏するほうとしては大変なのだろう。 ところで、アンコールを終え、合唱団員が私たちの席の横を通って帰るのを、手をたたくまねをして見送っていたら、 「昨日(ハレに)いたでしょう」 と、若い団員に言われてしまった。かなり早くスタンディングオベーションをしたから、目立ったかもね。前のほうの席だったし。