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カテゴリ:TV
「バラカンビート」で聞いた情報、今、結構あちこちで劇場映画として公開されている「ラジオ・コバニ」'16がBS「世界のドキュメンタリー」で放送されると。本編は69分だが放送時間枠は60分弱。いくらかの編集版での放送のようだ。
製作はオランダだが監督はクルドの人。元々はTVドキュメンタリーなのだろうか。ISによって破壊し尽くされたトルコ国境のシリアのクルド人の街コバニで、女子大生が復興のラジオ曲を始める。設備は発電機とPCだけで、スタッフは友人一人だけ。全くもって手作り感100% なぜコバニの街がISに襲われたのか?ISの目的そのものがよくわからない。破壊し尽くされた街は残骸だらけで、判別不能の遺体があちこちから発見される。おそらくカットされたのは、もっと具体的なカットだったのだろうが、それでも、衝撃の映像が垣間見られる。遺体回収作業の側には子供も。これを体験して大人になった時どんなことを思うのだろう? 20歳のディロバンも幼なじみはISに斬首され、父や兄は戦闘に参加していて離れ離れだ。それでも希望を失わずに、前向きにラジオ放送に取り組む。街の様子や各地の戦況、そして音楽やおしゃべりも。人はどんな境遇にあっても希望を持ち、笑顔を忘れないでいられるものなのだ。 シリアで女性が活躍?というのも意外なのだけど、ISとの戦闘部隊にも女性指揮官が。シリアは最も保守的な国のはずだけど、エリアにもよるのだろう。僕が訪れた際もエーゲ海よりの街はベール被りの女性は少なく、開放的な雰囲気があった。イタリアンレストラン(らしき店)で女性同士が食事し、食後に水パイプをふかしていたりもした。案外、シリアの女性たちは強かなのかも知れない。 お見合いだったのだろうか?最後はディロバンの結婚式で終わる。夫の選択もどちらかといえば女性主導。父や兄は不在のままだけど、ささやかながら幸福な宴の模様。街の復興へ向けての歩みは、何となく震災後の東北の姿がだぶった。 ISとの戦いの後、シリアは政府と反政府軍の戦いがまだ続いている。それでも自らの力で復興を進めようとする人々の力強さを、この映像は感じさせた。勿論、戦争はないにこしたことはないが、それでも尚、生きて進んでいく人々の営みは絶えることがない。シリアに平和を、そして、未来を。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年06月20日 23時29分11秒
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