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カテゴリ:インド
今年の新年はキネカ大森でのインディアン・シネマ・ウイークで迎えたけれども、秋のインディアン・ムービー・ウイークもチェックしておきたい。1800円均一ではあるものの、ラジニカーント主演作ならまあ仕方ないでしょうということで、これは、まだ日本公開前の「2.0」の後の最新主演作らしい「ペーッタ」を。
もう、”素顔”を何の躊躇もなく晒している68歳のラジニだけど、この映画では相変わらずの渋いけど若々しい出で立ちで登場。ヒゲがワイルドさを印象付けるけど、これは物語の終盤に更に生きてくる。あの”スーパルスター”のオープニングだけは今も変わらずだ。 今回のラジニ、何だか学校の寮長として現れる。政府から派遣?か何かよくわからないけど、半ば強引に就任。学食を改革したり寮を牛耳る金持ちのどら息子たちを懲らしめたり、これは青春映画かい?青春といえば、ラジニは怪しげな治療を行う寮の女学生の母親と熟年デートに及んだり。シムランという女優さん、かつてのタミル映画の人気スターだったようだけど、今も魅力的だ。で、冒頭のラジニ対何十人の対決は、業を煮やした不良グループの復讐かと思いきや、彼らとはまた別の集団なのだった。ここからが、まあ本筋というか。 後半は一気にテイストが変わってしまうのはインド映画らしい。歳とってからのラジニ映画は、正月に観た「リンガー」のように政治的なニュアンスのものが多かったりするけど、これはまた少し異なる。ラジニ扮するペーッタは若き日に政治家と関わってはいたけど、映画そのものが政治的な主張を帯びているわけではない。むしろ、その政治家だった友人を巡る復讐劇で、どちらかと言えば裏街道を行く男の生き様を描くような内容なのだ。 従って、その仇敵が登場する後半は、非情というか仁義なきヤクザ戦争の如しで、ラジニがガンをバンバンぶっ放して容赦無く殺していく映画というのは初めて観た気がする。更に、父に不満を抱く仇敵の息子を騙して取り込んでまで、徹底的に復讐を果たそうとする。そんな内容故に、スタイリッシュなラジニは健在だが、キメのポーズやセリフも、いつも程にはユーモラスなものではない。何と、ラジニがヌンチャクを持ち出すところがあって、何だかブルース・リーの弟子?みたいな含みがあるのは、「ワンハリ」とは対照的なスタンスだった。 出来としては、少なくともCGや政治臭が目立って、些か期待はずれであった「リンガー」に比べれば、まあまあだ。少ないながらもミュージカル場面もあり、ラジニもそこそこ踊る。殺伐たる描写(勿論、ハリウッドとかの比ではないが)も気にならないでもないけど、こういうラジニも、まあ、ありかと。何より、揺るがぬスーパルスターの活躍ぶりは堪能できるから。とはいえ、これはやっぱり、「ロボット2.0」の前哨戦の意味合いが大きいなと思いきや、何と、沖縄での公開予定は今のところないではないか!何とかしてや。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年09月30日 23時43分34秒
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