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カテゴリ:TV
CSヒストリーチャンネルで放送の「ジャネット・ジャクソン 私のすべて」4回シリーズの最終回。今回は、いよいよ彼女のキャリアを潰しかけたスーパーボウルのハーフタイムショーの件も扱われる。昨日の夜の放送。
2004年のハーフタイムショーは、ジャネットがメインで、ジャスティン・テインバーレイクがゲストの扱いだった。問題はショーの最後、ティンバーレイクがジャネットのコスチュームを引っ張ると胸が露出した。ただ、モロに乳首が見えたわけではなく、ニップルみたいのをつけていて、ピアス?もつけていた。つまり、最初から見られてもいいように施されていたと思えるのだ。リアルタイムに見ていたけど、あれは明らかにティンバーレイクが引っ張っているので、そういう演出だったのだろうと思えた。胸が見えたことについては、見えるべきところが見えたわけではないので、特に衝撃とか、そういうレベルではなかった。ちょっと過激な演出かなとは思ったけど。 ところが全米は大騒ぎになった。最悪の放送事故ということで、これ以後、生放送は数秒遅れで放送されるなんて配慮もと取られるようになった(今はもうやってないかな?)。ピークだったジャネットの人気は一気に失墜、正直、その後遺症は番組で描かれる通りに、今も少なくはないと思う。 要は演出だったのだろうから、そう言えばよかったのだと思う。ジャネットは数年前からセクシー路線を取っていて、雑誌の表紙でも胸を露出した大胆な写真を載せたりしていたから、その延長に過ぎないと思った。全米最高の視聴率を誇る場で、ちょいと皆を驚かせてやろうくらいのところだったのではないか。でも、その反響の大きさに、あれは事故と謳うことで、却って混乱を巻き起こす結果になった。この辺のリスクマネジメントは、弁護士とかがちゃんとついていなかったのか。折しも、兄貴が訴訟沙汰で大変な時期だったから、ガードは固めていて然るべきだったろうに。 解せないのは、責められたのは専らジャネットの方であったことだ。箏の発端は、むしろティンバーレイクの方ではないかと思われても然るべきだ。ところが、ティンバーレイクは、その後、2018年に再びハーフタイムショーに登場している。これが、単独でのステージでゲストはなし。それでも演出の巧みさで見事に見せていて、この数年の中でも屈指の内容だった。一方のジャネットのハーフタイムショー再登場は?まず、ないだろう。 結局、これは人種差別の問題に行き着くのではないか。兄マイケルの訴訟についてもそうだけど、アメリカの歴史上、最大の成功を収めたと言っていい黒人ファミリーについても、これだけの差別やプレッシャーがあり得たということに驚きを隠せない。ジャネットは、最早、過去の栄光だけで生きている人のように思えていたけど、実は、そこそこ新作も成功を収めていて、神通力は、かつてほどではないにしろ、衰えていない部分もあるようだ。 番組の最後は、そんな彼女の誉め殺し的なものだ。本人たちが絡んでいる番組故に、そんな風にならざるを得なかったろうけど、本当は彼女らの闘いというのは、まだまだこれからなのではないか。マイケルの訴訟についても史談で、かなりの金額を支払って終わったようだけど、本当にそれでよかったのか。ジャネットのハプニングについても、もっとクリアにすべきなのではないかと思う。この番組、ある意味、アメリカ社会の差別的体制の、底知れぬ深さを知らしめる内容であった。これは一体いつまで続くのだろう。アメリカでは、またしても警官による黒人射殺のニュースが伝えられている・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年07月04日 21時52分18秒
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