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たまたま同僚が仕事中に、“あっしには関わりのねえことでござんす”と発して、「木枯し紋次郎」を思い出した。まだ子供の頃のテレビ時代劇だが、そのセリフですぐに思い出せるくらいに、当時はちょっとしたブーム的な人気番組であった。遅い放送時間帯だったので、多分ちゃんとは見てない(見せてもらえなかった)のではないかと思うけど、冒頭のセリフは流行語と化していたくらいなので、その人気の程は窺い知れる。CS時代劇専門チャンネルあたりで放送されないものかと確認したら、何と今週から放送の偶然。これは見てみないと。
市川崑が監修で、“市川崑劇場”と謳われているのだった。市川は、第一シーズンの最初の3話と最終回の演出も担当している。その3話をとりあえず見てみる。笹沢佐保原作だから、ニヒルというか、ある種劇画チックな内容を想像していたけど、冒頭から、小室等(作曲)+上條恒彦(歌)による、“だれかが風の中で”が流れて、意外と爽やかなオープニングだ。 第一話のゲストは小川真由美。あっしには関わりはねえはずの紋次郎だが、小川の色香に迷わされたか、早速、関わりのねえことに関わっていく。クールなようで、むしろ、他人を放っておけないようなところがあって、それを自覚しているためか、敢えて、”あっしには”のセリフを吐いているような印象だ。姉の仇の小池朝雄を討つあたりに、多少、紋次郎の生い立ちが垣間見える内容だった。 立ち回りは、例えば、大映の「眠狂四郎」のような華麗なものではない。紋次郎は、よく走り、転がり、ひっくり返ったりしながら敵を仕留める。さすがにお茶の間仕様で血糊は控えめながら、決して、きれいな立ち回りではなく、むしろ、泥臭く、ある意味リアルなものと言える。当時、32歳の中村敦夫、そりゃあまだ若いね。 第二話でも、行き倒れの素浪人の書状を届ける任務を全うし、その奥方かと思われた宇津宮雅代に、“器量良しだ”と言った声さえかける紋次郎。ちっとも、ニヒルでもクールでもなく、“あっしには”じゃねえんである。そこらが、お茶の間で人気を集める要因だったかも知れないが。皮肉にも、自分を襲えという書状を自ら運んでしまったのだが、素浪人を恨むわけでもない。そこは、大人のキャラというか、酸いも甘いもという人物設定ではある。 第三話は、原田芳雄、加藤嘉も出演の豪華版だが、猪に足を喰われた娘役の黒沢のり子という女優が印象に残る。紋次郎は、結局、この薄幸の娘のために命を張ることになる。勿論、最後は原田との対決だ。中村と原田は元俳優座仲間の関係での共演か。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年07月27日 22時10分35秒
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