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カテゴリ:ダイエット/部分痩身治療
多くの人が ・脂肪吸引をすればもう太らない(とってしまうんだから) ・ダイエットの努力をしないですむから(痩せたいけと食べたい) という理由だそうです。 脂肪吸引手術はその名の通り「皮下脂肪(脂肪細胞)自体を切除する手術」のことです。 脂肪細胞は取り去ってしまうと「芽細胞:新しく細胞に変化するもとの細胞」がないため、切除した部分の皮下には新しい脂肪細胞がつかない=太らないと言われています(しかし、現在は成人担っても脂肪細胞は増加すると言われています)。 ここで脂肪細胞の「役割」に目を向けてみましょう。 脂肪細胞は、以前単純に「あまったエネルギーを脂肪細胞内に溜め込む一次貯蔵庫」としか考えられていませんでした。 しかし、現在は「ホルモン分泌」「食欲抑制物質の放出」など沢山の機能があることが分かっています。 脂肪細胞の最大の役割は「身体を守るクッション」「深部体温の安定化」「血中エネルギー量の安定化」です。 このうち「血中エネルギー量の安定化」はダイエットと深くつながっています。 脂肪細胞が大きくなる(太る)とはどういうことでしょうか? 人の血液には、いろいろな成分が流れています。それらの成分は「一定量」を保ち「多すぎれば細胞が取り込み、少なければ放出する」というシステムで「血中濃度」を保っています。 食事によって摂取されたエネルギー(一般にはカロリーと呼ばれます)は、まず「消化管での消化吸収」という形で「一次貯蔵」されています(この吸収スピードによって、急にエネルギーが血液に流れ込まないようになっています)。 消化管は、本当の意味で「貯めておく」ということが出来ない(結局は吸収されるため、吸収スピードによるコントロールというレベルです)ため、結局は血液中に入ってきます。 血液中のエネルギーは、肝臓・脂肪細胞・筋肉(一部)という「貯蔵器官」が過剰なエネルギーを貯蔵することによって「血中濃度」を一定に保っています。 さて問題です。 食べるエネルギー量が変わらず、消費量も変わらない人が「脂肪細胞という貯蔵庫」を取り去ってしまうとどうなるでしょうか? 血液に流れるエネルギーは消費もされず、溢れてしまいます。肝臓はその貯蔵量をはるかに超え(脂肪肝)、筋肉の貯蔵量には限界がある。 高い血中濃度は「高脂血症」として血液中に残り、「脂肪細胞という貯蔵庫」を失った血液中の糖分は「尿中に漏れ出す:糖尿病」ということになります。 糖・脂肪という「エネルギー物質」は過剰な場合「毒」となります。脂肪細胞は「あまったエネルギーが身体に悪さをしないように『皮下脂肪』として溜め込むことによって細胞を守っている」ということです。 「食べると太る」という人は「細胞を守るための優れた脂肪細胞を持っている」といえるのです。 「食べても太らない」という人は「吸収不良:食べたものが吸収されにくい」か「思ったほど摂取エネルギー量が少ない」か「将来的に高脂血症・糖尿病といった代謝性疾患になりやすい」か「基礎代謝量・生活代謝量・運動代謝量が普通の人より高い」ということになります。 当院では「食事摂取エネルギー量コントロール」の重要性を必ず示しています。これが「健康と美の両立」には欠かせない部分だからです。 脂肪吸引やそのほかの「食べても太らない系治療」をお考えの方。このような「将来リスク」を踏まえた上で検討されてはいかがでしょうか。 脂肪吸引後は「健康面を考えると、今まで以上に摂取エネルギーコントロール」を大切にしなくてはなりません。 手術後、あなたの身体は「細胞を過剰エネルギー毒から守る脂肪」を少なからず失ったのですから お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.07.05 19:06:50
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